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欧州委員会、サステナブルファイナンス行動計画実現のため、新たに技術専門委員会(TEG)立ち上げ。HLEGを引き継ぎ、35人の専門家選出。来年6月までに対策具体化(RIEF)

2018-06-15 23:52:50

EUTCGキャプチャ

 

 欧州委員会はサステナブルファイナンスやグリーンボンド等のEU基準を策定するための技術専門委員会(Technical Expert Group)メンバー35人を指名した。同委員会は、欧州委員会が「サステナブルファイナンス・ハイレベル専門家会合(HLEG)」最終報告に基づいて定めた行動計画を具体化する作業を展開する。

 

 欧州委員会は、1月末のHLEG報告を受けて、3月初めに、10項目からなる「サステナブルファイナンス金融行動計画(Sustainable Finance Action Plan:SFAP)を公表している。このうち①EU共通のサステナブルファイナンスに関するタクソノミー確立②資産運用機関や機関投資家等の投資判断に際してESG考慮と情報開示を義務化(フィデシャリーデューティー(FD)の法制化)などの4項目は、先月、先行する形で法制化が提案されている。

 

 今回、立ち上がった技術委員会は、法制化の4項目の中身の具体化と、それ以外のSFAP案の実現に向けた実務作業を展開することになる。委員の構成は、HLEGに参加した英Climate Bonds Initiative(CBI)のCEO、Sean Kidney氏らのようなHLEG組のほか、HLEGでは少なかった銀行関係者、企業代表、NGO代表らも加え、幅広い「欧州サステナブルファイナンス・チーム」を結成した格好だ。

 

 また、EUの各金融当局、欧州中央銀行、欧州投資銀行(EIB)や欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州環境庁、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)、金融システムグリーン化のための中央銀行と金融監督機関ネットワーク(NGFS)、OECDなども参加する。

 

 新たな委員会は4つのサブ委員会の分かれて作業をする。①サステナビリティのタクソノミーの構築、投資対象となる適格社会・環境プロジェクトの定義づけ②EU共通のグリーンボンド基準づくり③低炭素ベンチマーク指数の規制面のカテゴリー創出④気候マネジメントに関する情報開示のための方法の創出、となる。

 

 委員会は7月初めに会合をスタートさせ、現ユンケル欧州委員会の任期末となる2019年6月までに、作業を完了させる計画だ。35人全員のリストは、次のURL。https://ec.europa.eu/info/sites/info/files/180613-sustainable-finance-teg-members_en.pdf

 欧州委員会の金融システムの安定、資本市場同盟(CMU)等を担当する副委員長のValdis Dombrovskis氏は「今回の専門家たちのアドバイスを、委員会のサステナブルファイナンス行動計画に沿って、迅速にフォローすることをコミットする」との決意を示している。

 

https://ec.europa.eu/info/sites/info/files/180613-sustainable-finance-press-release_en.pdf

 

https://ec.europa.eu/info/sites/info/files/180613-sustainable-finance-teg-members_en.pdf