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オランダの総合化学メーカーのロイヤルDSM(DSM)、GHG削減とリンクした「リボルディング・クレジット・ファシリティ(RCF)」導入。10億ユーロ、期間5年(RIEF)

2018-06-15 22:53:50

DSMキャプチャ

 

 企業の温室効果ガス(GHG)排出量の削減によって金利を連動して上下させる融資枠が開発された。オランダの総合化学メーカーRoyal DSM(DSM)が、自社の運転資金等で調達する銀行からの借り入れのために締結した「リボルビング・クレジット・ファシリティ(RCF)」。融資枠は10億ユーロ(約1280億円)。

 

 新たなRCFは、DSMがすでに利用している既存のDSM信用枠2つ(2018年までと2020年まで)を置き換える。参加金融機関は15行でシンジケーションを組む。新たな排出削減リンクのDSMの設定期限は5年。さらに2年間延長される可能性もある。

 

 新型RCFの特徴は、借り入れに際してDSMが銀行に支払う金利が、同社全体のGHGの排出削減実績と連動して上下する点だ。排出削減の評価・判断は、累積的なGHGの効率改善、エネルギー効率指標(EEI)の改善、再生可能エネルギーからの電慮期利用の増大、という3つの要素に連動させる。

 

DSM2キャプチャ

 

 RCFは金融機関が日常資金を供給する際に提供する融資形態のひとつ。金融機関は、借り手が実際に融資枠を使い切らなくても、RCF設定の手数料を確保できる。一方、企業側は、融資枠の範囲ならば、自由に資金を借り入れるなど、需要に応じた弾力的な対応ができることから、利用件数が増えている。

 

 DSMの最高財務責任者(CFO)であるジェラルディン・マチェット氏は、「私たちはグローバルベースで、気候変動の改善に資する製品やソリューションの提供に深く取り組んでいる。私たちの長期パートナー銀行が革新的な金融手法の提供によって私たちをサポートしてくれ、コーポレートファイナンスも含む、わが社のすべてに含まれる持続可能性の重要性を重視してくれることを、大変喜んでいる」と述べている。

 

 DSMは、科学をベースにした、健康、栄養、材料の分野で、日本を含む、世界55カ国でグローバルに事業を展開している。

 

http://www.dsm.com/corporate/media/informationcenter-news/2018/05/15-18-dsm-links-green-house-gas-emission-reduction-to-interest-rate-in-new-euro-1-billion-revolving-credit-facility.html