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豪マッコーリー・グループが、5億ポンド(約725億円)のグリーンローンの融資枠「グリーン・ファシリティ」を設定。民間ベースの「グリーン・ローン原則」に初準拠(RIEF)

2018-06-21 22:47:55

MACQUARIEキャプチャ

 

 豪金融のマッコーリー・グループは、グリーンエネルギー等への融資を含む20億ポンド(約2900億円)のローン・ファシリティを設定した。グリーンローン部分は5億ポンド(約725億円)で、国際金融団体が定めた「グリーン・ローン原則(GLP)」に基づく条件を順守する。GLPに基づくローンファシリティの設定は初めて。

 

 設定したファシリティは4本のトランシェに分かれる。このうちグリーンローンの部分は、3年物の2億5000万ポンドと、5年物2億5000万ポンドの2本。GLPはロンドンを拠点とする「ローン・マーケット協会(LMA)」と、香港拠点の「アジア太平洋ローン・マーケット協会(APLMA)」が、債券のグリーンボンド原則(GBP)をモデルに共同開発した。マッコーリーの場合、APLMA基準への準拠、としている。http://rief-jp.org/ct6/77929

 

 GLPは、GBP同様に4つの基本原則を踏まえる。①融資資金の使途②対象プロジェクトの評価と選択のプロセス③融資資金のマネジメント④情報開示、である。マッコーリーはファシリティで調達した資金を、当面は再生可能エネルギー事業に投じるが、段階的に、省エネ事業、廃棄物マネジメント、グリーンビルディング、クリーン輸送分野等にも拡大する予定。

 

Maccory1キャプチャ

 

 アジア地域ではグリーン関連事業への投融資が増大している。こうした環境を踏まえて、同地域での活動を拡大しようとしているグローバル金融機関等からマッコーリーのグリーン・トランシェへ高い関心が示されている。

 

 ファシリティ設定に際して、取引のグリーンストラクチャーアドバイザーは、HSBCのシドニー支店と、オランダのINGの2機関が務めた。HSBCはシンジケートローンのとりまとめも担当、ブックランナー業務は、両金融機関に加えて中国銀行が名乗りを上げた。

 

 マッコーリーは昨年、英国の公的機関であるグリーン投資銀行を買収、現在はグリーン投資グループ(GIG)として、グループのグリーンプロジェクト関連の中核機関として運営している。また2010年以来のグループによるグリーンインフラ等への投融資額は150億ポンドを超えている。

 

 同社の最高財務責任者(CFO)のAlex Harvey氏は、「今回のファシリティの設定は、わが社がグリーンファイナンス分野で主導的な役割を果たし続けることに貢献する。GIGで開発したグリーン・インパクト・アセスメント・アプローチの将来的な活用もそうした貢献につながるだろう」と述べている。

 

https://www.macquarie.com/jp/about/newsroom/2018/macquarie-group-issues-green-loan-facility