HOME6. 外国金融機関 |(特ダネかも) 中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が「環境金融(Green Credit Directive)指令」を制定(FGW) |

(特ダネかも) 中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が「環境金融(Green Credit Directive)指令」を制定(FGW)

2012-02-28 22:41:30

中国の環境金融指令について語る銀行代表

日本の金融庁に当たる「中国銀行業監督管理委員会」(CBRC)は、中国国内のすべての政府系金融機関、商業銀行、資産運用機関などを対象として、投融資に際して環境・社会配慮を盛り込むよう求めるガイドライン(指令)を発した。同指令は中国が推進する第12次5カ年計画(2011年~2015年)と連動するもので、中国版「エネルギー環境戦略」といえる。

CBRCが発した環境金融(Green Credit Directive)指令は、7章30項目からなる。中国で金融機関向けに環境保護の具体的な政策的指示がこういう形で発せられたのは初めて。ちなみに、日本の金融庁はまだ対応できていない。

指令の対象となる金融機関は、政府系金融機関、商業銀行、資産運用会社、地方協同金融機関、地方信用協同金融組織、郵便貯金銀行、信託会社、ファイナンス会社、金融リース会社など、大半の金融機関が該当する。「中国国内で法的に設立された金融機関」という規定から、外資系金融機関も含まれるとみられる。

 

指令によると、各金融機関は、中国のグリーン経済化、低炭素社会化、循環型社会づくりを促進するため、戦略的な観点から Green Credit(環境金融)を促進すべきとし、自らの環境・社会パフォーマンスの改善とともに、投融資に際しての取引先の環境・社会リスクの軽減にも取り組むよう求めている。そのために投融資の構造、サービスのレベルを改善する必要性を指摘している。

また、金融機関はそうした環境金融経営の効果について自ら評価し、モニタリングをし、環境・社会リスク・マネジメントシステムを構築する必要があるとしている。CRBC自体も、そうした金融機関のグリーンバンキング活動の状況を監督対象とし、環境・社会リスクマネジメントが的確に推進されているかどうかをチェックする責務があるとしている。

各金融機関は、自らの環境金融活動の概要について、目標設定と、実践の評価、内部コントロール等の体制をとり、それらをアニュアルレポート等でレポーティングするなどの情報開示も求めている。さらに、環境金融活動への取り組みを金融現場の第一線で実践する人材を育成するため、キャパシティビルディングの強化についても言及している。

この指令に基づいて中国の金融機関が実際にどのような環境金融経営を実践するかは不明だが、第12次5カ年計画では、①省エネ・環境保護②新世代情報技術③バイオ④最先端の製造業⑤新エネルギー⑥新素材⑦新エネルギー自動車の7業種を「戦略的新興産業」と位置付け、エネルギー・環境政策の強化と、成長持続の両立を目指している。

 そのうちに環境金融の分野についても、日本の金融界は中国勢に追い抜かされる可能性も出てきた。

 

http://www.cbrc.gov.cn/chinese/home/docView/127DE230BC31468B9329EFB01AF78BD4.html