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フランス中央銀行、グリーンファイナンス専用の奨学金設立。「グリーンな金融政策」を目指し、新進気鋭の若手研究者を育成へ。日銀も検討してみては?(RIEF)

2018-07-09 19:07:38

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  フランスの中央銀行のフランス銀行は、気候変動が金融機関や金融システム全体に及ぼす影響等についての最先端の研究を深めるため、若手の新進気鋭の研究者を対象とした「グリーンファイナンス奨学金制度」を立ち上げた。気候変動が金融政策に及ぼす影響等について、理論的な解明を目指す。日本銀行も、超金融緩和策一辺倒で引きこもっていずに、新たな政策課題に取り組む人材育成を手がけてはどうか。

 

 フランス銀行が始める新たな奨学金制度は 「Young Researcher Scholarship for Green Finance」というもの。贈呈額は、1年間で1万5000ユーロ(約195万円)。既に博士号を持つ40歳以下(10月時点)の若手研究者で、フランスの大学に所属しているという条件がある。ただし、国籍条項はないようなので、フランスで研究している日本人でも応募は可能なようだ。

 

 受賞者は、受賞後1年~1年半の間に査読付きの論文を主要学術誌に掲載することが求められる。既に応募を始めており、今年11月27日に同行が開く「Climate Finance Day」の研究会議の際に、受賞者に賞金を手渡す予定という。

 

 応募候補のテーマはグリーンファイナンス分野であれば、特段の限定はないが、フランス銀行が中心になっている中央銀行や金融監督当局で構成する「「The Network for Greening the Financial System (NGFS)」が、発足させている3つの作業部会の取り扱いテーマが基本的な対象になる見込み。

 

 作業部会は金融監督・ミクロプルーデンシャル部会(WS1)②マクロファイナンシャル部会(WS2)③グリーンファイナンスのスケールアップ部会(WS3)に分かれている。http://rief-jp.org/ct1/80514

 

 具体的テーマとして例示されたのは、次のような内容だ。(1)金融機関による気候関連リスクの評価とリスク減少対策(2)企業や金融機関による気候変動リスクの情報開示手法(3)グリーン資産とブラウン資産の間の潜在的リスク(4)機関投資家レベルでの気候関連リスクの経済と金融システムへの波及経路(5)経済への気候変動の影響評価のためのマクロモデル(5)金融システムのグリーン化あるいはグリーンボンド市場拡大のために、中央銀行がとり得る行動――など。

 

https://www.banque-france.fr/en/communique-de-presse/banque-de-france-young-researcher-scholarship-green-finance