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太陽生命保険、クレディ・アグリコル東京支店に30億円のグリーンローン提供。生保のグリーンローン設定は初めて(RIEF)

2018-07-17 15:29:31

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   T&D保険グループの太陽生命保険は、フランスのクレディ・アグリコル銀行東京支店に対して、総額30億円のグリーン・ローンを提供した。クレディ・アグリコルは借り入れた資金を、ESGの分野で優れた水準を持つ企業向け融資など、同行全体のグリーン・ローン・ポートフォリオに充当し、内外でのグリーン融資に活用する。生保がプロジェクトファイナンスとは別に、資金使途を「グリーン」に絞って融資するのは例がない。

  
 太陽生命は、平成 19 年 3 月に日本の生保として最初に国連支持の責任投資原則(PRI)に署名しており、ESG配慮の投融資活動やグリーンボンドの購入などを積極的に展開している。自らもグリーンボンドへの投資のほか、ESGに熱心な企業向けの融資等も増やしている。2017年度実績でのグリーンローンを含めたESG関連融資は137億円で、グリーボンド等の投資を含めると245億円に達する。

 

 こうした自らの活動に加えて、今回、外資のクレディ・アグリコルへのグリーンローン提供は、ESG関連の融資拡大を目指す同社が、アグリコル側に提案、アグリコル側がスキームを提案し、実現に至ったという。自社の投融資にとどまらず、他の金融機関への融資を行うことで、海外案件や、他社の顧客企業のグリーン活動へも支援を広げることが可能になる。

 

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 一般的に、金融機関は太陽光発電等の再エネ事業や、省エネ事業等に融資を行う場合、当該事業に限定したプロジェクトファイナンスでのグリーン融資を行うケースが多い。これに対して、今回の太陽生命の融資は、特定のプロジェクトを前提としたものではなく、あくまでも、企業向けのコーポレートローン。しかし、ローン資金の使途が確実にESG関連や、グリーン関連に振り向けられるように、融資契約に際しては、「調達した資金と同額以上が環境関連ポートフォリオに充当されるよう最大限の努力をする」との条項を明記しているという。

 

 太陽生命では、今後も、融資先とこうした条件設定が可能な場合は、グリーローンを展開していく方針。今回の融資はクレディ・アグリコル銀行の東京支店に対して行うが、アグリコル側は全社のグローバルなグリーン・ローン・ポートフォリオに組み込んで活用するという。

 

 そのポートフォリオの中で、今回の融資資金は、ESG分野で優れた水準を持つ企業向け融資のほか、太陽光や風力発電などの再生エネルギーの促進、エコ効率技術の開発、環境負荷の制御、生物多様性の保全等に取組む企業等を応援するための融資に活用される予定だ。太陽生命は今回のグリーン・ローンについても責任投資活動の一環と位置づけている。

https://www.taiyo-seimei.co.jp/company/notice/download/press_article/h30/300705.pdf