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サステナブルファイナンスの主要都市金融センターネットワーク「FC4S」の欧州ハブに、アイルランドのダブリンを選出。欧州域内のサステナブル金融センター数を3倍増目指す(RIEF)

2018-08-18 00:09:22

FC4S3キャプチャ

 

  国連環境計画(UNEP)の支援でスタートした各国の金融センターで構成する「Financial Centres for Sustainability (FC4S) network」の欧州のハブに、アイルランドのダブリンが選出された。FC4Sはグリーン&サステナブルファイナンスを推進するために欧州、アジアなどの18都市がネットワークを結成したもの。日本の都市は入っていない。

 

 FC4Sは昨年9月に立ち上がった。グリーン&サステナブルファイナンスを拡大、促進するために、共通行動をとり、経験を共有することを目標としている。UNEPが事務局を担当し、ロンドン、パリ、フランクフルト、ミラノなどの欧州の金融都市と、香港、上海、深圳、ソウル、トロント、カサブランカなど合計18都市が名を連ねている。

 

 加盟都市の過半数に相当する10都市が欧州であることから、欧州ハブを設立することになった。EUの官民連携ファンドのEIT Climate-KIC Initiativeから今後3年間の投資資金として150万ユーロ(約1億8900万円)の支援を受ける予定。ダブリンはFC4Vのハブとして、欧州域内で現状より3倍以上となる30以上の金融センターに共通する行動の展開に取り組むことになる。

 

FC4S2キャプチャ

 

 また次の取り組みについても各都市を主導する。①各金融センター相互の気候・サステナビリティの信頼度を比較評価できる欧州版のアセスメント・ツールの開発②合意した開発計画と優先作業のための共同メカニズムの仕組みを作る③サステナブルファイナンスへの理解促進活動④サステナブルファイナンスの新たな取り組みをテストし、転換させるためのプラットフォームの立ち上げ⑤ベストプラクティスを広めるフラームワークづくり――などだ。

 

 

 アイルランドのサステナブルファイナンス促進の非営利団体であるSustainable Nation IrelandのCEOを務めるStephen Nolan氏が、グローバルネットの戦略的アドバイザーに任命され、さらに欧州ハブのコーディネート役も担うことになった。

 

 Nolan氏は「パリ協定の目標達成のために、サステナブルファイナンスの提供は、銀行セクターだけでなく、資本市場、保険、投資の各市場を網羅する形で加速される必要がある」と述べている。

 

 欧州委員会は、世界の気温上昇を産業革命前から2℃以内に十分低く抑えるというパリ協定の目標を達成するために、2021年から2030年にかけて毎年、追加投資として1770億ユーロの投資を必要とする、と試算している。これらの膨大な資金のファイナンスを果たす金融センターを拡大する期待が、FC4Sの発展にかかっているともいえる。

 

 FC4Sの欧州ハブはそうした活動の軸になるとみられる。ダブリンでのFC4S Europeの正式の立ち上げは、11月6~8日に同市で開催されるEUのEIT Climate-KIC’s annual Climate Innovation Summitの場になる予定。

 

https://www.fc4s.org/about-us

https://docs.wixstatic.com/ugd/eb1f0b_5709d803e0fd49169124afe8e00f3765.pdf