HOME4.市場・運用 |カナダ大手銀行のCIBC、初の「女性リーダーシップ・ボンド(WLB) 」発行へ。女性の取締役・管理職比率が最低でも30%以上の企業へのファイナンス資金調達へ(RIEF) |

カナダ大手銀行のCIBC、初の「女性リーダーシップ・ボンド(WLB) 」発行へ。女性の取締役・管理職比率が最低でも30%以上の企業へのファイナンス資金調達へ(RIEF)

2018-09-18 22:43:23

CIBCキャプチャ

 

  カナダの5大銀行の一つである「 Canadian Imperial Bank of Commerce (CIBC)」は、女性役員の登用等でリーダーシップの役割を果たしている企業へのファイナンスを目的とする初の「Women in Leadership Bond(WLB)」を発行する。取締役あるいは管理職の少なくとも30%以上を女性が占める企業へ資金供給する。ソーシャルボンドの一つで、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも資するESG債券との位置づけだ。

 

 女性活躍を支援するための「ウーマンボンド」はこれまでも、国際金融公社(IFC)やチリ国立銀行などが発行したことがある。ただ、いずれも途上国での女性起業支援などが主目的。先進国市場で企業の取締役会、管理職での女性登用企業に資金使途を絞ったボンドの発行は例がない。

 

 CIBCはボンドの発行に先立って「Women in Leadership Bond Framework」を設定し、 ボンドで調達した資金の使途先となる対象企業について2つのクライテリアを設定した。

 

 一つは、取締役会あるいは管理職に占める女性社員が少なくとも30%以上、もしくはカナダの経済界が推進するジェンダー平等イニシアティブの「Catalysis Accord 2022」に署名している企業など。もう一つは、すでに取締役会と代表取締役に一人以上の女性が登用されている企業。

 

 CIBC自体も「Catalysis Accord 2022」に署名しており、 「Women in Finance Charter in the U.K.」にもカナダの銀行として最初に署名している。

 

 対象企業については除外規定を設けている。アルコール、タバコ、ギャンブル、軍事契約、高利貸、パーム油、アダルト・エンターテインメントの各産業については、女性比率が高くてもファイナンス支援の対象とはしない。

 

 CIBCの資本市場部門のグローバル・コーポレートバンキング担当のSusan Rimmer氏は「今回のボンドのフレームワークは、ジェンダーの多様性を重視したソーシャルボンドであり、われわれの顧客からの社会的責任投資(SRI)への需要の高まりを反映ししたもの」と説明、自社のCSR活動の一環でもあるとしている。

 

 ボンドのセカンドオピニオンは、ESGコンサルの Sustainalyticsが、市場原則の一つであるソーシャルボンド原則(SBP)への適合を評価・付与している。さらに、同ボンドはSDGsの第5目標「ジェンダー平等性」、第8目標「人間らしい雇用(Decent Work)の創出」に合致する、としている。

 

https://www.cibc.com/content/dam/about_cibc/investor_relations/pdfs/debt_info/cibc-women-in-leadership-bond-framework-en.pdf