タックスヘイブンの英属領ガーンジー島、国連主導のサステナブルファイナンス推進の金融センター組織「FC4S」に加入。グリーンファンド認証制度に次ぐグリーン戦略（RIEF）
2018-11-12 09:57:55
英国王室属領で、タックスヘイブンのガーンジー島が、国連環境計画（UNEP）支援の各国金融センターで構成する「Financial Centres for Sustainability (FC4S) network」に参加した。タックスヘイブンもグリーン&サステナブルファイナンスで低炭素経済社会への移行に向けて、新たなビジネス戦略を展開しようとしている。
（写真は、ガーンジーの首都、セント・ピーター・ポートの港湾風景）
ガーンジーは、この夏、国際的なグリーンファイナンスセンターを目指して、グリーンファンドを独自に認定する「ガンジー・グリーンファンド」制度を立ち上げた。ガンジーの金融サービス委員会（GFSC）がファンドのルールなどを整備し、認定する仕組み。http://rief-jp.org/ct6/81012
FC4Sへの加入はそうしたグリーンファイナンス戦略の国際的認知を目指すものともいえる。タックスヘイブン間の競争が激化する中で、ガーンジーは、国際的な投資家がグリーン投資にアクセスしやすい信頼性のあるプラットフォームの提供を目指している。
ガーンジーは、英国海峡に浮かぶチャンネル諸島の一つ。タックスヘイブンあるいはオフショア金融センターとして、外国企業がSPC等を多数登録している。
英女王を君主とするが、英国には含まれず。EUにも属していない。独自の議会と政府を持つ。ブレグジットでEUから離脱するロンドン市場との「非EU市場連携」も念頭にあるとみられる。
FC4Sは昨年9月に立ち上がった。グリーン＆サステナブルファイナンスを拡大、促進するために、共通行動をとり、経験の共有を目標としている。UNEPが事務局を担当し、ロンドン、パリ、フランクフルト、ミラノなどの欧州の金融都市と、香港、上海、深圳、ソウル、トロント、カサブランカなど合計18都市が名を連ねており、ガーンジーは19番目となる。
FC4Sは9月に、サステナビリティのタクソノミー（分類）のための10原則を公表している。共通原則を示すことで、サステナブルファイナンスの取引コストの低減、金融監督等での混乱防止を目指す。
ガーンジーはFC4Sへの加入とともに、グリーンファイナンス戦略を明確にした。①FC4Sのサステナビリティ・タクソノミーへの適合②提供する金融サービス全体を通じたグリーンファイナンス製品を開発する③グリーン＆サステナブルファイナンスを促進するためのエンゲージメント・プログラムを発展させる④国際協力を促進するためパートナー諸国と協働する、などだ。
Research Institute for Environmental Finance