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「責任ある銀行原則(PRB)」、グローバル・パブリック・コンサル開始。6つの原則を公開。SDGs、パリ協定へのコミットメントを宣言。日本の銀行は署名できるか(?)(RIEF)

2018-11-27 07:29:02

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 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)加盟の28の銀行が26日、「責任ある銀行原則(PRB)」のためのグローバル・パブリック・コンサルテーションを開始した。PRBは国連の持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定達成を目的とし、サステナブルバンキングのグローバル・ベンチマークとなることを目指す。来年9月のニューヨークでの国連総会で世界中の銀行を結集し、立ち上げ宣言する予定だ。

 

 PRBの構想は、UNEP FIが主導する形で、今年5月に公表されていた。http://rief-jp.org/ct6/79730 同構想は年金等の資産運用にESG要因を加味させる責任投資原則(PRI)や、保険の引き受けの際にそれらの要因を評価するサステナブル保険原則(PSI)という2つの国連支援の活動をモデルとしている。

 

 コンサルテーションは、PRBが準拠する6項目の原則に対する各金融機関、ステークホルダーの意見を広く集約するためのもので、6カ月の期間を設定している。6項目の原則は、構想に賛同して結集した28の銀行(総資産額17兆㌦)とUNEP FIが共同でまとめた。

 

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 PRB(Principles for Responsible Banking)は6つの原則から成る。

 

(1)Alignment(適合):われわれは、SDGsやパリ協定、それらに対応する各国・地域のフレームワークなどにおいて表現されているような、個人のニーズと社会のゴールと整合し、貢献するために、われわれのビジネス戦略を適合させる。そのために、われわれはもっとも影響を発揮できる領域にフォーカスする。

 

(2)影響(Impact):われわれはネガティブな影響を減少させ、ポジティブな影響を継続的に増やしていく。そしてわれわれの活動や商品・サービスを通じて、人々や環境に及ぼすリスクを制御していく。

 

(3)顧客(Clients & customers):われわれは顧客とともに、現在および将来の世代のために共有する繁栄を創り出す実践を持続可能にすることを奨励し、そうした経済活動を可能にするために活動する。

 

(4)利害関係者(Stakeholders):われわれは社会のゴールを達成するために、それにふさわしいステークホルダーと積極的かつ責任をもって協議し、参画し、パートナー活動を展開する。

 

(5)ガバナンスと目標設定(Governance & target-setting):われわれは、われわれがもっとも影響を及ぼすことのできる公的なターゲットを設定することで、われわれ自身の野心と説明責任を明確にするとともに、われわれの効果的なガバナンスと責任ある銀行の文化を通じて、これらの原則への関与を実行する。

 

(6)透明性と説明責任(Transparency & accountability):われわれはこれらの原則を、個別あるいは共同で実行していることを定期的に点検するとともに、われわれの活動のポジティブな影響とネガティブな影響、および社会のゴールへの貢献について透明であり、説明責任を果たせるようにする。

 

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 これら6つの原則に署名する銀行は、少なくともSDGsやパリ協定、それらに対応した各国のフレームワークにおいて、各銀行がもっとも重要なポジティブあるいはネガティブな影響を持つ領域で、それらフレームワークと整合した目標か、あるいはそれら以上に野心的な目標を設定し、公表することが求められる。

 

 署名は厳格な責任を伴う。UNEP FIによると、PRBの原則に示す透明性の必要条件を満たせず、適正なターゲットも設定できず、進捗状況を報告できない銀行は、書名機関としての地位をはく奪される。

 

 署名銀行は署名から12カ月以内に、適切なターゲットを設定しなければならない。また、署名から14カ月以内、その後は毎年、自らの重要なポジティブな影響とネガティブな影響、さらに社会のゴールへの貢献について透明性と説明責任を果たすため、さらにPRBの6原則の実行状況についてを情報開示し、報告書を公表しなければならない。

 

 PRBの創立に参画したコア銀行は6月の26行から2行増えて28行になった。Access Bank, Arab African International Bank, Bancho Pichincha, Banorte, Barclays, BBVA, BNP Paribas, Bradesco, Commercial International Bank Egypt, CIMB, FirstRand, Garanti, Golomt Bank, Hana Financial Group, ICBC, ING, KCB, Land Bank, National Australia Bank, Nordea, Piraeus Bank, Santander, Shinhan Financial Group, Standard Bank, Societe Generale, Triodos Bank, Westpac Group , Yes Bankの各行だ。残念ながら、日本の銀行は一行も含まれていない。

 

 前国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の事務局長を務めたChristiana Figueres氏(現Mission 2020 climate initiativeの議長)は「すべての銀行が署名機関になるべきだ。さらにすべての規制当局と投資家、政策当局、市民社会は銀行がこの原則を実行できるよう支援すべきだ」と強調している。

 

 国連支援の責任投資原則(PRI)議長のMartin Skancke氏は「今や、銀行セクターは自らが被る多様なリスクを評価するとともに、SDGsの目標実現のために自らの金融活動の影響度をもステップアップする時だ」と、PRBの立ち上げを評価している。

 

  9月の国連総会での正式発足時には、日本の銀行が多数署名していることを期待したい。

 

http://www.unepfi.org/news/industries/banking/launch-of-the-public-consultation-on-the-principles-for-responsible-banking/

http://www.unepfi.org/consult/