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バンク・オブ・アメリカ、米銀初のソーシャルボンド発行。5億㌦。コミュニティ支援の適正価格住宅やCDFI支援等のリファイナンス。SDGsへの適合もアピール。発行額に対して6倍の応募(RIEF)

2019-02-08 14:15:34

BOA1キャプチャ

 

 米銀大手のBank of Americaは総額5億㌦(約550億円)のソーシャルボンドを発行した。米銀のソーシャルボンド発行は初めて。資金使途は、個人向けの適正価格住宅向け投資や、コミュニティ開発活動をしている地域のコミュニティ開発金融機関(CDFI)等への投融資資金のリファイナンスに充当する。

 

 BOAは同時に、ソーシャルボンドによる地域活動へのファイナンスは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標にも沿うもの、と位置づけている。ボンドは期間4年。クーポンレートは3年目までは3.335%の固定金利で、最後の1年は3ヶ月もの米㌦Libor金利にプラス65bpsの変動金利に切り替わる仕組み。

 

 同社は、グリーンボンドについては2013年11月に初めて発行して以来、435億㌦(約4785億円)分を発行している。ソーシャルボンドの発行は初めて。発行したボンドについては、国際資本市場協会(ICMA)が管理するソーシャルボンド原則(SDP)に適合しているとしている。ただ、第三者機関によるセカンド・オピニオンは取得していない模様。

 

 ボンドは、Merrill Lynch, Pierce, Fenner & Smithが単独で主幹事を担当した。 ING Financial Marketsがシニア共同マネジャーを務め、Penserra Securities、Williams Capital Groupが副共同マネジャー。初の米銀ソーシャルボンドということで、ESG投資を重視する内外の投資家の応募が殺到、発行額に対して6倍の倍率となった。この結果、利回りは当初見込みのTreasuary プラス95-100bpsが78bpsとなり、通常のボンドよりも低コスト調達につながった。

 

 米国ではコミュニティ再投資法(CRA)によって金融機関は地域コミュニティへの投融資活動が義務付けられている。自ら直接、地域コミュニティで中小・零細企業、住民等に投融資をするほか、地域コミュニティでファイナンス活動をしている非営利のCDFIへの資金供給等をすることも対象となる。

 

 BOAはグループ内に、そうした地域活動専門の「Bank of America Merrill Lynch Community Development Banking(CDB)」を設けている。CDBは 2018年には、総額47億㌦(約5170億円)分の投融資資金をCDA関連でコミュニティに提供している。適正価格の住宅(Affordable Housing)や学校等の地域インフラ建設事業への投融資活動を展開している。今回のソーシャルボンドで調達した資金はそうした活動の一部に充当することになる。

 

 BOAの副会長、Anne Finucane氏は「BOAは、われわれが立脚する地域コミュニティを成長させ、再建し、活性化することに強くコミットしている。(銀行への)投資家も次第に、自らの投資が自らの価値と適合することを求めるようになっている。今回のソーシャルボンドの発行を通じ、BOAは投資家にそうした機会を提供できる」と述べている。

 https://newsroom.bankofamerica.com/press-releases/community-development/bank-america-issues-its-first-social-bond-500-million