モスクワ証券取引所、ロシアの経団連（RSPP）と共同でサステナビリティ指数を開発。1日から公表。ロシア企業もESG投資ブームに参戦（RIEF）
2019-04-01 23:24:44
ロシアのモスクワ証券取引所（MOEX）が、ロシア企業のESG評価度を踏まえたサステナビリティ指数を初めて公表した。日本経団連に相当するロシア産業企業家同盟（RSPP）との共同設立だ。ロシア企業も世界のESG投資ブームに参入した格好だ。
公表されたサステナビリティ指数は、 MOEX-RSPP Responsibility & Transparency Index とMOEX-RSPP Sustainability Vector Indexの2種類。前者（Responsibility & Transparency）はロシアのESG情報開示をリードする主要企業22社を構成銘柄とする。 後者（Vector of Sustainability ）は、前年比でESG評価の改善がもっとも進んだ企業15銘柄で構成する。
いずれもMOEXが2016年以来、RSPPによる主要企業のESG評価のアセスメントに基づくデータを活用して計算してきた。両指標は取引所のウェブサイトで日々公表される。また銘柄の構成等は年間ベースで見直す方針という。
MOEXとRSPPの共同作業は、グローバルに機関投資家や規制機関によって、サステナブル投資、あるいはサステナブルファイナンスへの関心が高まる中で打ち出された。ロシア企業、ロシアの産業界もサステナビリティを重視していることへのアピールといえる。
MOEXのCEOのAlexander Afanasiev氏は「より多くの投資家が、投資対象の企業を、財務的業績だけではなく、企業の社会的責任（CSR）や環境問題への対応、社会的政策やコーポレートガバナンスの品質等を評価して選ぶようになっている。サステナビリティ指数を求める投資家の需要は、ロシア市場もこの分野で発展していることを示すものでもある。RSPPと共同で新しいベンチマークを提供できたことを嬉しく思う」と述べている。
両指数のベースとなるのは、ロシアの優良企業100社で構成するRAEX-600とRBC-500で、両ランキングからESG、サステナビリティに力を入れている企業を選出する。ヒストリカルな指数のデータは、2012年に遡って活用される。
MOEXとRSPPは指数の共同設定と同時に、ロシア企業の持続可能な発展を支援し、内外からの投資の魅力を高め、経済活動の透明性を促進し、ロシア企業に対する投資家の信頼を強め、投資家のサステナビリティに関した投資判断に資する情報開示の向上などを進める共同作業の展開でも合意した。
Research Institute for Environmental Finance