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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、グリーンボンド等の債券分野でのESG投資を開始。第一弾は世銀グループのグリーンボンド等550億円分に投資(RIEF)

2019-04-10 09:45:56

GPIFキャプチャ

 

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は9日、債券分野でのESG投資を本格展開すると公表した。第一弾として、世界銀行発行のグリーンボンドなどに550億円を投資した。GPIFはすでに株式投資では約3兆円のESG投資を実施しており、債券分野でのESG投資を加えることで、ESG投資を拡大する方針だ。

 

 GPIFはこれまで世銀グループと、債券分野でのESG投資について共同研究を実施してきた。こうした研究を踏まえて、公的年金機関の資金運用に求められる長期的な安定利回りの確保が可能と判断したとみられる。今後、世銀等の国際公的金融機関発行のグリーンボンド等への投資に加え、グローバル市場でのESG債投資を広げていく方針とみられる。

 

 今回、GPIFは、世銀グループの国際復興開発銀行(IBRD)と国際金融公社(IFC)が発行するグリーンボンドや社会プロジェクト向けのソーシャルボンド、両方のプロジェクトを資金使途とするサステナビリティボンドへの投資を、運用を委託する運用会社を通じて実施した。

 

 世銀は、2018年に第一号のグリーンボンドを発行して以来、これまで約130億㌦(約1兆4000億円)分を発行している。グループ全体では、直近の2018年7月~19年3月の9カ月間だけでも計40億8000万㌦(約4500億円)を発行し、グローバル市場へのESG債供給の主導的役割を果たしている。

 

 GPIFの高橋則広理事長は「GPIFが運用を委託する運用会社は、投資分析と意思決定プロセスに、ESG課題を統合する『ESG インテグレーション』を求める責任投資原則(PRI)に署名しており、グリーンボンド等への投資は債券運用での『ESG インテグレーション』手法の一つ」と説明している。

 

 グローバルなグリーンボンド市場は、昨年だけで1600億㌦規模の発行がある。日本市場での発行規模も、前年の9件を上回る33件の発行が相次ぎ、発行額も8割増の4848億円と急拡大している。GPIFが今後、円建てグリーンボンドへ投資を拡大する期待もある。http://rief-jp.org/ct1/85945

https://www.gpif.go.jp/about/message.html