今年第一四半期のグリーンボンド等の総発行額、四半期ベースで過去最高。グリーンボンド国債など公的機関の発行が牽引。年間では2850億㌦の可能性も。ICMAが分析(RIEF)
2019-05-03 23:50:09
国際資本市場協会(ICMA)は今年第一四半期(1~3月)のグローバル市場でのグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド(GSS)の発行状況を公表した。合計発行件数は64件、発行総額638億㌦(約7兆円)で前年同期比47%増とほぼ倍増。四半期の発行額としては過去最高だった。ICMAはこのペースで進むと、今年の発行額は過去最高の2200億㌦~2850億㌦とみている。
(上記の図表は、月別の発行額の推移)
63件の発行件数のうち、ボンドの発行種類では233本。全体の78%はグリーンボンド(500億㌦)、ソーシャルボンドは63億㌦、サステナビリティボンド75億㌦と、従来通り、グリーンボンドが大半を占める。ただ、前年同期比伸び率はソーシャルボンドは206%増、サステナビリティボンドは同49%増とグリーンボンドの伸び率を上回った。
発行通貨別では、ほぼ半分の49%がユーロ建て、次いで米ドル建て(19%)、スウェーデンクローネ建て(8%)となっている。ユーロ建てが多いのは、欧州の機関投資家のGSSボンド投資意欲が高いことが反映している。スウェーデン市場も公的年金基金を中心にESG投資需要が高い。
発行体では、公的機関が42%を占め、次いで企業が37 %、残りが金融機関。公的機関では、フランス、ポーランド、インドネシアがそれぞれグリーンボンド国債を再発行したことで、全体の発行額を引き上げた。
グリーンボンド等の市場がまだまだ発展途上であることは、233の発行本数のうち、60本以上が新規発行だったことでも示される。
https://www.icmagroup.org/green-social-and-sustainability-bonds/green-bond-principles-gbp/