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アジアインフラ投資銀行(AIIB)、初のドル建て外債25億㌦発行へ。資金使途はグリーンインフラ事業とESG投資事業。セカンドオピニオン企業がESG評価提供。ESG投資家を視野に(RIEF)

2019-05-13 08:30:53

AIIB11キャプチャ

 

 アジアインフラ開発銀行(AIIB)は初のグローバルボンドの発行を決めた。ドル建てで総額25億㌦。期間5年、利率は年2.25%。AIIBが外債を出すのは初めて。資金使途はアジア全体を対象に、環境配慮を加えたグリーンインフラへの投資と、ESG投資事業と位置付けている。

 

 発行するボンドは、グリーンボンドやサステナビリティボンドとは銘打っていない。だが、AIIBは資金使途について、自らが設定する「グリーン運用原則(green operation principle)」に沿って投資家を支援するとともに、パリ協定と国連の持続可能な開発目標(SDGs)に適合するプロジェクト等を支援するとしている。

 

  主な資金使途先としては、インドの地下鉄プロジェクトや、エジプトやインドネシアでの浄水事業、 バングラデシュでの地方住民向けの電力供給事業等を例示している。

 

 ESG評価会社のISS-OekomとSustainalyticsがこれらの資金使途先の評価のほか、持続可能なインフラ事業へのファイナンスを遂行するAIIBのガバナンス力等についても評価を加えた情報を投資家に提供した。それによってESG投資家の債券への信頼を高めたという。債券はロンドン証券市場に上場される。

 

 債券の信用格付については、世界銀行などの他の国際公的金融機関と同様、S&PやMoody’sなどからAAAの格付を得ている。引受主幹事は、中国銀行のほか、バークレイズ、クレディ・アグリコルCIB、ゴールドマンサックス、TDセキュリティーズ。

 

 債券への応募は8割増の45億㌦にのぼった。応募先のほぼ半分(49%)はアジアの投資家で、欧州勢と中東・アフリカ(EMEA)が35%、米国が16%だった。 投資家の属性別では、中央銀行が67%を占め、次いで銀行が25%、ファンドマネジャー5%、保険・年金2%、その他1%。

 

 AIIBの最高財務責任者(CFO)のThierry de Longuemar氏は「多様な投資家からの応募があったことを歓迎する。また、こうしたグローバル投資家の投資によって、アジア地域及び周辺地域に対し、われわれはポジティブな貢献が可能になる」としている。

 

 金立群(Jin Liqun)AIIB総裁は「国際資本市場に参画することで、AAIはグローバル投資家の支援を得て、ファイナンス力をこれまで以上に高めることができる。こうした力によって、インフラ投資に対する触媒力を高め、新興アジア市場でのESG投資原則を加速できる」と指摘している。

 

 https://www.aiib.org/en/news-events/news/2019/20190509_001.html