HOME2. 保険 |かんぽ生命、欧州投資銀行発行のポーランド・ズロチ建てグリーンボンド(約285億円)、全額引き受け。資金使途はEUのTaxonomyに連動(RIEF) |

かんぽ生命、欧州投資銀行発行のポーランド・ズロチ建てグリーンボンド(約285億円)、全額引き受け。資金使途はEUのTaxonomyに連動(RIEF)

2019-05-27 12:31:20

EIB12キャプチャ

 

  かんぽ生命保険は、欧州投資銀行(EIB)が発行する初のポーランド・ズロチ建て「Climate Awareness Bond」(CAB)の10億ポーランド・ズロチ(約285億円)分を全額引き受けた。CABは気候変動対策への資金使途に的を絞ったグリーンボンドで、今回の資金使途はEUが進めているサステナブルファイナンス行動計画のTaxonomyに基づいている。

 

 かんぽ生命が引き受けたCABは、期間10年。発行利率年2.875%。主幹事はCiti、とJP Morganの両米銀が担当した。債券は同生命による全額引き受けだが、ルクセンブルグとワルシャワの両証券取引所に上場される。

 

 かんぽ生命は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同表明しており、その提言に沿った投資行動として、今回のCABへの投資を実施した、としている。

 

 kanpo1キャプチャ

 

 EIBは、2007年に世界で初めてグリーンボンドであるCABを発行し、現在では国際機関最大のグリーンボンド発行体(2018年末時点235億ユーロ)になっている。2018年は40億ユーロを発行している。年間ベースで全体の融資額のうち最低25%は気候関連活動プロジェクトを支援することを目標にしている。EIBにとって、ポーランドズロチ建てのCABの発行は今回が初めて。

 

  EIBは最近、CABで調達した資金使途について、EUのサステナブルファイナンス行動計画に適合する形に改定している。同行動計画に基づく法整備は、現在、進行形で最終決定していないが、欧州議会選挙後に進行するとみられている。特に焦点となっているグリーンプロジェクトを分類するTaxonomyについては、気候変動関連の事業の整理が6月中に完了する予定。

 

 CABは気候変動関連の事業への投融資を軸としていることから、今回の発行についてもEU・Taxonomy連動とした。ユーロ建て以外で、EUのTaxonomyを資金使途の基準とした債券は初めてとしている。

 

 EIBの財務部門の責任者、Bertrand de Mazières氏は「EIBはグリーンボンドの分類を明確化することは、サステナビリティを金融にも実際の経済にも重要だと信じている。今回の初のズロチ建てCABの発行は資本市場での協力を拡大するとともに、EUの行動計画に対する日本の関心を高めることになると期待している」と述べている。

https://www.eib.org/en/investor_relations/press/2019/fi-2019-09-eib-2029-pln-cab.htm

https://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/press/2019/abt_prs_id001452.html?ref=rss