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EU 欧州委員会のサステナブルファイナンス「TEG報告」、第三弾はすべての投資商品に適合する「ESG共通評価」のミニマム基準の設定と、二つの気候関連ベンチマークの設定(RIEF)

2019-06-19 18:16:35

EUBenchmarkキャプチャ

 

   欧州委員会のサステナブルファイナンス行動計画の技術専門家グループ(TEG)が公表した勧告の3番目は、サステナブルファイナンスのベンチマーク・インデックス案だ。個人向けを中心としたサステナブルな金融取引をスムーズにするため、気候変動分野で2種類のベンチマークを創設するほか、すべての投資分野に共通するESG情報開示の最小基準(Minimum)の共通必要項目である。

 

 中間報告の段階では、気候関連のベンチマークの設定のほか、明確にESGにフォーカスするファンドに共通の最小基準の設定を目指した。今回はそうした範囲を拡大、EUの第2次金融商品市場指令(Mifid2)の対象となるすべての投資商品に共通して適用されるESG基準を設定した。ESGファンドに限定せず、すべての投資ファンドにESG共通評価を盛り込むことは、年初の欧州委員会と欧州議会、閣僚理事会の三者協議で合意されたものだ。

 

 その結果、投資商品を提供する資産運用機関等のベンチマーク担当者は開発する投資信託等での銘柄選別の方法論に、ESG要因がいかに組み込まれているかを説明しなければならなくなる。この説明責任は、ファンドのベンチマークや、母体となる親ファンドのベンチマークにもESG要因がどう考慮されているかという点と、新たに設定される気候変動分野のベンチマークへの適合状況についての説明も求められる。

 

 気候変動関連の新たなベンチマークとして示されたのは、「EU Climate Transition Benchmark (EU CTB)」「EU Paris-aligned Benchmark(EU PAB)」の二つ。後者のEU PABはパリ協定の目標達成のために高度に野心的な気候関連投資を目指す機関投資家向けに設定されるもので、IPCCの1.5℃シナリオに沿った低炭素経済社会への可及的速やかな移行を目指す。

 

積極的に低炭素化を推進する企業等への投資を軸とするため、通常の投資ユニバースと比較すると、より高い低炭素化投資事業・企業に集中し、また、気候変動のリスク面だけでなくオポチュニティ面により強い力点を置くいている。

 

 EU CTBは、気候変動だけでなく多様性を持ち、機関投資家にとってのコアとなる資産配分に資する。

 

 ともにパリ協定の目標に沿ったもので、4つの目的を示している。①ベンチマーク設定者のベンチマーク設定の柔軟性を維持しながら、それらのベンチマークの方法論を比較できるもの②投資家の投資戦略に適合する適切なツールを提供する③気候変動とエネルギー移行に関して投資家が受ける影響の透明性を高める④グリーンウォッシングを減退させる、こととしている。

 

 これらのベンチマークの役割は、投資家のパッシブ投資戦略用で、温室効果がス排出量関連戦略のための投資パフォーマンスベンチマークとして活用される。さらに投資家のエンゲージメントツールにもなり、戦略的な投資資産配分(SAA)を推進する政策ベンチマークにもなる、と位置づけている。

 

 TEG1のベンチマークのサブグループ専門委員のJean-Yves Wilmotte氏(仏コンサル、Carbone 4)は「今回のベンチマークは金融産業にとってゲームチェンジャー(変革の手段)となるだろう。すべてのファンドのベンチマークにESGが考慮されるわけだ」と強調している。