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英リーガル&ジェネラルグループ系の資産運用会社LGIM、気候変動対応が不十分としてエクソンや米メットライフ等を除外。昨年除外した日本のSUBARU、日本郵政も引き続き除外継続(RIEF)

2019-06-24 08:00:09

LGIM1キャプチャ

 

 英保険大手リーガル&ジェネラルグループのLegal & General Investment Management (LGIM)は、運用するファンドから気候変動対応が不十分な投資銘柄として、ExxonMobilや米メットライフなど5社を選定した。またすでに投資引き揚げ対象としている日本のSUBARU、日本郵政などについても情報開示等の改善がみられない、として引き続き投資除外先にとどめた。

 

 LGIMは運用資産総額1兆ポンド(約1兆3000億㌦:約140兆円)の規模。今回、投資除外を決めたのは「 Future World Funds(FWF)」への組み入れ銘柄。低炭素経済への移行に関する投資先企業の経営戦略の改善を求めた12カ月間のエンゲージメント活動を踏まえ、80社以上の投資先企業をスコアリングした。

 

 その結果、エクソンモービル、食品のホーメルズ・フード社(米)、韓国電力公社(KEPC)、食品雑貨のクローガー(米)、保険のメットライフ(米)を投資対象から除外した。また2018年に除外した8社のうち、2社(Occidental Petroleum、Dominion Energy、ともに米)は対象に復帰させたが、他の6社は除外のままと判断した。

 

LGMI2キャプチャ

 

 その中には、日本の自動車のSUBARUと日本郵政の2社も入っている。LGIMによると、日本の2社を含めた企業は、情報開示の改善が十分ではないとして、引き続き投資除外の扱いとしている。

 

 LGIMは自社のESG評価基準で約80社の企業を評価、特に各企業の気候変動リスク・オポチュニティの影響評価と、ビジネス戦略、目的、ロビー活動等を評価している。ネガティブスクリーニングではなく、各産業で積極的なリスク削減と、気候プラスの活動をしている企業は投資を継続するスタンスをとっている。

 

 たとえば、今回、エクソンを除外したが、石油・ガスセクターでは、ノルウェーのEquinorをパリ協定と整合性のとれるエネルギー政策を展開しているとして対象にしている。

 

 たとえば、鉱業では石炭資産から脱却したリオ・ティント(英、豪)、発電事業では100%カーボンフリーの発電に切り替えた米Xcel Energy、自動車では2039年までに新車をすべてゼロエミッション車に切り替えを宣言したダイムラー(独)、金融では、気候シナリオ分析のパイロット事業に取り組んでいるウェストパック(豪)のなどに投資している。

 

 LGIMのサステナビリティ&責任投資責任者のMeryam Omi氏は「われわれの気候影響の評価は、投資先企業へのエンゲージメントを重視している。実行無しの『トーク』は、気候変動問題に緊急に対応するうでは、もはや意味がない」と述べている。

 

  LGIMが運用するFWFは資産規模63億㌦()で、ESGクライテリアや要因評価とともに、気候変動リスクの軽減に重点を置いた指標に連動した運用をしている。運用資産は企業株のほか、債券等を含むマルチアセットファンドのひとつ。

 

https://www.legalandgeneralgroup.com/media/17248/21062019-lgim-climate-impact-pledge-final-210619.pdf