欧州投資銀行(EIB)は、同行全体の融資残高の半分を2025年までに気候対策に振り向ける方針を設定することを明らかにした。パリ協定の目標達成のために、EU域内で高まる温暖化関連融資需要に積極的に応えていく。また2030年までにサステナブルファイナンスの分野に1兆ユーロ(約120兆円)を投じる。
(写真は、PRI年次総会でスピーチするEIBのHoyer総裁)
EIBの気候融資増額方針は、11日に国連支援の責任投資原則(PRI)がパリで開いた年次会合で、EIB総裁のWerner Hoyer氏が明らかにした。
EIBの気候ファイナンス重視については、次期欧州委員長に就任するウルズラ・ファンデアライアン氏が7月の就任決定時の演説で、欧州投資銀行(EIB)を「気候銀行(Climate Bank)」に改組し、今後10年にかけて、1兆ユーロを気候変動対策に投じる決意を示している。https://rief-jp.org/ct8/91913
EIBは2015年に定めた気候戦略で、2020年までの5年間で1000億ユーロの気候関連融資を実施し、全融資残高に占める気候関連融資の割合を現行目標の25%から35%に引き上げる目標を掲げた。2018年時点では、すでに30%(約162億ユーロ)の水準に達しており、35%達成も目前だ。