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グローバル市場のグリーンボンド発行額、2000億㌦台に乗せる。年間では昨年比5割増に近い伸び率も。グリーンボンド国債が全体の13%を占める。英CBI調べ(RIEF)

2019-10-28 08:09:56

CBI1キャプチャ

 

   今年のグローバル市場でのグリーンボンドの発行額が2000億㌦台に乗せた。英非営利団体Climate Bonds Initiative(CBI)がまとめた。すでに昨年の総発行額を上回っており、CBIでは年間を通して2500億㌦前後に達し、5割近い伸び率になると推計している。

 

 CBIによると、2000億㌦台に乗せたのは、10月19日の発行。ギリシャで初の発行となったTerna Energyの1億5000万ユーロの発行のほか、日本やシンガポール、スウェーデン、中国等での発行がこの時期に集中、発行総額は2022億㌦となった。

 

 1000億㌦台に乗せたのが、今年6月なので、2000億㌦乗せは、それよりも加速し4カ月で大台を達成したことになる。 昨年の発行総額1709億㌦(CBI調べ)を超えたのは、9月後半。

 

CBI33キャプチャ

 

 これまでの発行で最大規模は、オランダのグリーンボンド国債の59.9億ユーロ(66億6000万㌦=7190億円)。このほか、ドイツの復興開発公社(KfW)が30億ユーロ(33億6000万㌦)、中国の興業銀行200億人民元(29億1000万㌦)、フランス・グリーンボンド国債24億7000万ユーロ(27億7000万㌦)、などがあった。

 

 グリーンボンドの資金使途では、全体の33%が再生可能エネルギー事業に投じられ、29%はグリーンビルディングなどの建物の低炭素化に、20%がEVなどの低炭素輸送分野、水資源確保9%、廃棄物と土地利用が各3%という配分になっている。

 

地域別の発行量の比較
地域別の発行量の比較

 

 国別では、米国での発行が最も多く、次いで、フランス、中国、ドイツ、オランダ、スウェーデンの順で、日本はその後に7位につけている。今年の特徴といえるのが、オランダ、フランスを含め9ヵ国がグリーンボンド国債を発行した点だ。

 

 グリーンボンド国債の発行総額は全体の約13%に相当する258億㌦にのぼった。フランス、ベルギー、ポーランドなどは、複数発行で市場の流動性を高めている。

 

国別の発行件数の比較
国別の発行件数の比較

 

 

 CBI代表のショーン・キドニー氏は「今年はグリーンファイナンスのさらなる進展の年となるのは間違いない。単に発行量増だけでなく、グリーンボンド国債のようにボンドの規模や発行体の多様性等が進んでいる。ただ、気候危機に対応するには、もっとグリーン投資を増大させねばならない。年間2000億㌦でも、4000億㌦でも不十分。2021年あるいは2022年には年間1兆㌦規模のグリーン投資を実現することが重要だ」と指摘している。

 

https://www.climatebonds.net/2019/10/green-bond-issuance-tops-200bn-milestone-new-global-record-green-finance-latest-climate