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国連支援の責任投資原則(PRI)、サービスプロバイダー理事ポストの争奪戦、SustainalyticsのJantzi代表に軍配。Moody'sとMoriningstarの代理戦争も結着(RIEF)

2019-12-02 18:07:48

PRI66キャプチャ

 

 国連支援の責任投資原則(PRI)の理事選挙で注目されていたサービスプロバイダー部門の投票結果で、ESG評価会社のSustainalytics代表のMichael Jantzi氏が選ばれた。同ポストをめぐっては、現職のVigeo EirisのPeter Webster氏とJantzi氏の対決になっていた。両機関の主要株主であるMoody’sとMoriningstarの代理戦争ともみられていた。

 

 PRIの理事ポストは10席ある。だが、大半の7席は年金等の資産保有機関の代表で占め、残りのうち2席を資産運用機関が、1席がサービスプロバイダーに割り当てられている。

 

  PRI署名機関による投票は9月30日から11月15日までの予定で行われた。サービスプロバイダーの理事ポストに名乗りをあげたのは4人。現職のWebster氏と、Jantzi氏のほか、豪州の責任投資のコンサル企業等から2人も名乗り出た。実際には、グリーンボンドのセカンドオピニオンビジネスで競合するWebster氏と、Jantzi氏の一騎打ちになっていた。http://rief-jp.org/ct4/94562?ctid=0

 

 PRI2キャプチャ

 

 Jantzi氏については、Sustainalyticsの株を40%所有するMorningstar社が推薦。Webster氏については、現職の強みと、今年4月にVegio Eiris株の過半を買収したMoody’sが後押しするという展開だった。Jantzi氏は立候補時の「選挙公約」で、「私が選ばれたら、PRI原則に参加する新たな投資家を後押しし、サステナブルファイナンスシステムの達成に向けて障害になっているものを解決していく」と、改革派宣言をしていた。

 

 サービスプロバイダーによる投票総数は140件、署名機関の45.4%が投票した。各候補者の得票数は開示されていないが、Jantzi氏が得票1位となった。

 

 同ポスト以外では、資産保有機関の2議席についても投票が行われたが、現職の日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の水野弘道氏と、スウェーデンの公的年金AP2のCEO、Eva Halvarsson氏の2人が「信任投票」の形で再任された。

https://www.unpri.org/pri/pri-governance/board-elections