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世界最大の資産運用機関BlackRock、グローバル企業への気候変動対応を資産保有・運用投資家による集団エンゲージメント活動の「Climate Action100+」に署名(RIEF)

2020-01-10 21:03:38

BlackRock3キャプチャ

 

 世界最大の資産運用機関の米BlackRockは、温室効果ガス排出量の多いグローバル企業に、世界の機関投資家が共同して排出削減を求める「Climate Action 100+」活動に署名した。BlackRockは総資産運用額6兆8000億㌦(約741兆円)で、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の4.5倍の規模なだけに、企業の温暖化対策促進の期待が高まる。

 

 BlackRockのスポークスパーソンは「Climate Action 100+への署名は、われわれの投資スチュワードシップチームがこれまで取り組んできた活動の自然な進展だ。投資ポートフォリオに及ぼす気候リスクの影響が急速に高まっており、われわれは、この重要課題に企業が取り組むようエンゲージメントを加速させている」とコメントした。

 

 Cliamte Actio 100+の活動は、2017年に開始された。グローバルベースで温室効果ガス排出量の多い大企業100社強をターゲットにし、当該企業に投資家としてのエンゲージメント活動を集中して、排出量削減を効果的に推し進める狙いだ。期間を5年間に区切り、集中的な投資家活動を展開する。

 

Cliamte Action100キャプチャ

 

 エンゲージメント対象企業は追加指名を含めて161社。この中には、トヨタ、パナソニック、日立などの日本企業10社も含まれている。活動への賛同機関はこれまで約370機関、合計の保有資産規模は35兆㌦だった。BlackRockの参加で資産規模は一気に17%増えて41兆㌦となる。

 

 BlackRockの署名の意味は、単にClimate Action 100+への参加投資家が一つ増えるだけではない。これまで同社は、 BP、Shell、Exxon Mobilなどの主要エネルギー企業等に投資しているが、これらの企業に気候変動対策の実施を求める株主提案に対しては8割以上、反対か棄権の投票をしてきた。こうした同社の姿勢が今回の署名で転換される期待があるのだ。

 

 BlackRockのCEOの Larry Fink氏は、投資家向けの年次レターの中で、「気候危機に対してさらなる行動をとる」と言明している。同社がこれまで気候変動対応に消極的だった姿勢を転換した要因の一つには、CO2排出量の多い企業に対して宥和的な姿勢を続ける同社自体が環境NGOからの批判を受けてきたことも関係しているとみられる。

 

 米環境NGOのCeresの調査によると、2019年3月時点で、主要企業の気候関連株主提案に対する主な投資ファンドの賛否の対応で、BlackRockは48機関中、43位と低評価されている。

 

 今回の署名とともに、BlackRockは投資先企業に対して、TCFDの提言に沿った気候リスクを明確に説明するためのフレームワークの実施を奨励することでも、Climate Action 100+と合意した。

 

 CeresのCEO、Mindy Lubber氏は「今回のBlackRockの決定は、気候変動が同社と世界経済の両方で、金融リスクを高めていることを踏まえたものだ。同社の規模と影響力は、Climate Action 100+対象企業のCO2排出量削減と、企業のガバナンスと情報開示の改善を促す強力なシグナルを送ることになるだろう」と評価している。

 

 BlackRockは昨年12月、再生可能エネルギー資産への投資家の強い需要を受けて、10億㌦きぼのGlobal REnewable Power Ⅲ(GPPⅢ)というファンドを立ち上げている。

 

https://www.blackrock.com/corporate#section-1