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グラミンバンクのユヌス氏の解任決定(PTI)

2011-04-06 01:03:52

グラミンバンク総裁を解任されたユヌス氏
グラミンバンク総裁を解任されたユヌス氏
PTIの報道によると、バングラデシュの最高裁判所は、グラミンバンク総裁でノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌス氏から出されていた解任要請への異議申し立てを拒否した。この結果、同氏が解任されるのは間違いない情勢となった。

ユヌス氏の解任指示は、同国中央銀行が同氏の年齢が70歳という高齢に達しており、銀行の法定年齢の60歳を上回っているとして、出された。これに対して、グラミンバンク側が反論し、さらに、欧米社会からも強い異論が出ていた。このため、同国の政治家も仲介に入るなどの形で、裁判所の審理のなかで妥協が図られるのではとの見方が出ていたが、結局、最高裁は中央銀行側の言い分を全面的に認めた格好となった。

同氏の解任には、表向きの年齢問題だけではなく、同氏の影響力が大きくなりすぎたとの判断が、既存政党などに強まっていることが影響しているとの見方が出ている。2007年に同氏が政党を立ち上げようとして、ハシナ首相の不興を買ったとの説もある。同氏は今回の最高裁の決定に対して、正式なコメントは出していないが、グラミンバンクにおいて「オルタナティブな方法での関与」を検討しているという。また同氏はグラミンバンク以外にも携帯電話事業や衣料品など、多様に展開するグラミングループの代表でもある。