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日本の石炭火力発電を2030年までにゼロにする「Japan Beyond Coal」発足。国連気候変動条約事務局長「新規石炭火力建設の余裕は世界のどこにもない」と政府の石炭温存路線を批判(RIEF)

2020-09-30 13:28:31

 

  日本の石炭火力発電所を2030年までにゼロにすることを目指す環境NGOのネットワーク「Japan Beyond Coal(JBC)」が29日、発足した。先進国の中で、石炭火力への依存度の高い日本のエネルギー構造を転換するため、国内の発電所のデータや石炭火力が気候変動に及ぼす影響等の情報発信等を展開する。

 

 JBCは情報発信サイト(https://beyond-coal.jp)を開設した。同サイトでは、①国内の石炭火力発電をマップ表示し、稼働状況などの情報を提供②石炭火力全廃を目指し、基数のカウントダウンを表示③石炭火力を巡る各種動向やパートナー団体の活動等を紹介、する。

 

 29日に開いた発足ウェビナーには、国連気候変動枠組み条約事務局長のクリスティアナ・フィゲレス氏がオンラインで参加し、「2030年までの10年間で、世界の温室効果ガスを50%削減する必要がある。新しく石炭火力発電所を建設する余裕は世界のどこにもない」と述べた。

 

JBC002キャプチャ

 

 経済産業省は7月に、非効率な旧来型の石炭火力発電所を2030年度までに減少させる一方で、超々臨界圧石炭火力発電(USC)については建設継続を宣言した。しかし、USCからのCO2排出量は天然ガス火力発電からの排出量を倍近く上回ることなどから、日本を除く先進国では新設の動きはほとんどない。

 

 またEU内でも石炭火力依存度8割という高率のポーランドも、2049年までに国内の石炭関連事業を全部閉鎖する方針で労使が合意し、2050年の「ネットゼロ」実現が現実化しつつある。

 

 開設されたウェブサイトでは、現在、国内で稼働中の石炭火力163基と、建設・計画中17基の計180基の情報が地図上で示されている。各発電所についての設備備容量や運転開始年などの情報を自由に得ることができる。また、石炭火力が気候変動にどう影響し、豪雨や洪水等の災害増大につながっているかといった情報も、わかり易く説明されている。

 

 JBCのパートナー団体は、気候ネットワーク、FoE Japan、WWFジャパン、グリーンピースジャパン、CAN-Japan、自然エネルギー財団、350.org Japan、釧路火力発電所を考える会、仙台港の石炭火力発電所問題を考える会、石炭火力を考える東京湾の会、神戸の石炭火力発電所を考える会の11団体。

https://www.kikonet.org/press-release/2020-09-29/Japan_Beyond_Coal_Launch

https://www.kikonet.org/wp/wp-content/uploads/2020/09/JBC-launch-.pdf