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クレディセゾン、シンガポール拠点で東南アジア対象のインパクト投資展開へ。低所得層や零細中小企業のファイナンシャル・インクルージョンをビジネスに(RIEF)

2020-12-14 21:46:46

sesonキャプチャ
 クレディセゾンは、シンガポール子会社「Saison Capital Pte. Ltd.」(セゾンキャピタル)を通じて、東南アジアを中心とした新興市場で、金融サービスを十分に享受できていない低所得層や中小零細企業へ金融サービスを提供するプライベート・デット(融資)での投資を実行すると発表した。国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献も踏まえている。

  「セゾンキャピタル」は、クレディセゾンが100%出資で、2019年6月にシンガポールに設立した。 東南アジア全域を対象とした新興市場をターゲットとして、インパクト投資のほか、Fintech 関連、決済関連、ファイナンス関連分野の独創的・革新的な技術・サービスを持つ有望なスタートアップへの投融資の推進に取り組み、ファイナンシャル・インクルージョンの実現に寄与することなどをビジネス領域とする。

 

 中心業務となるインパクト投資は、経済的リターンだけではなく、社会的および環境的インパクトとの両立を目指す投資。2019 年末時点で世界規模での投資残高は約 7150 億㌦(約75兆円)と推定される。しかし、2030 年までに SDGsを達成するには、年間5兆㌦から7兆㌦の投資が必要と推計されている。このため、今後途上国全体で年間約2.5兆㌦の資金不足が生じるとされる。
  クレディセゾンは「インパクト投資は、こうした投資ギャップを埋めるために広がりが期待される」としている。同社は、中期経営ビジョンで「アジアにおいて他にないファイナンスカンパニー」を目標として掲げており、 グローバル事業を将来の収益基盤の柱として位置づけている。
 特に、成長著しいアジア圏内で台頭する中間層に対するファイナンシャル・インクルージョンの取り組みを推進するとしている。拠点とするシンガポールは、人材・情報・資金が集まりやすくアクセスの利便性も高い利点がある。同社は、インパクト投資の拡大に際して、自己資金に加えてインパクト投資を志向する投資家の資金を活用する事業モデルを展開するとしている。
 同社はインパクト投資事業をSDGsのゴール1.4の「マイクロファイナンスを含む金融サービスの確保」、ゴール8.3の「金融サービスへのアクセスの改善」(ゴール 8.3)に貢献するとしている。