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BankTrackがUNEPFIの「自然資本宣言」を「偽善で混乱を招く提案」と批判(FGW)

2012-06-20 19:33:16

banktrack
国連環境計画(UNEP)金融イニシアティブ(FI)は、Rio+20で、金融機関が生態系配慮を中心に環境配慮を促進することを約束する「自然資本宣言(the Natural Capital Declaration)を打ち出したが、金融機関の環境行動を監視する国際NGOのBankTrackは「宣言は、金融機関による偽善で混乱を招く提案」と批判する声明を出した。

 自然資本宣言は、土壌、大気、水質、生態系などの地球が生物全体の提供している自然環境は、人間の経済社会の持続可能性を維持する重要な「資本」として位置付け、金融機関が投融資などの本業活動において尊重することを広く宣言するものだ。Rio+20に合わせて、日本の三井住友トラストホールディングスや英スタンダードチャータード銀行などの金融機関37機関が署名、公表した。

これに対してBankTrackは、「我々は金融機関が自然価値の重要性の評価に、イニシアティブをとることを歓迎する。しかし、今回の宣言はそうしたイニシアティブとはほど遠く、偽善であり、自然価値保護に対して混乱を招く」と批判した。その理由として、現在、自然資本が世界各地で減少し、危機的状況に陥っているのは、経済活動による自然に対する不十分な評価の結果であり、不完全な価格付けであるのに、そうした根本的原因について間違った理解に基づいている」と指摘している。特に、宣言が自然の価値を”商品化”しようとしていることに、強く反発している。自然価値を評価するとしながら、結局は費用さえ払えば自然破壊の代償が得られるとの考えに基づいており、自然破壊を肯定することになるとの判断だ。

自然環境の保護のためには、そうしたすべてを価値化、費用化するのではなく、自然環境を商品化とは一線を画した位置づけにするべきだと主張している。 

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 http://www.banktrack.org/manage/ems_files/download/banktrack_position_on_the_natural_capital_declaration/120616_bt_position_on_ncd.pdf