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徳島の「ゆずの里」で 市民出資方式の太陽光発電 寄付者には「ゆず」進呈(環境ビジネス)

2014-02-07 20:07:02

yuzunosatoキャプチャ
yuzunosatoキャプチャ徳島県那賀郡那賀町で特産品の卸・販売事業を行う株式会社きとうむらは、個人からの寄付金を募り太陽光発電所を建設する「ゆず里発電所」計画を開始した。寄付者には「お土産」として、2000円相当の柚子が提供者に贈られる。

本計画は、2011年の福島原発事故を受け、同社事業の消費電力を再生可能エネルギー化できないかと考え、太陽光発電事業の実施に乗り出したもの。この意向を受け、徳島での再生可能エネルギー普及をめざす「一般社団法人徳島地域エネルギー」が「コミュニティー・ハッピー・ソーラー」事業の第2弾として計画を進め、その出資によって「株式会社ゆず里発電所」が設立された。

ゆず里発電所は那賀郡那賀町木頭出原字にある、約1ヘクタールの残土処理場に建設される予定。発電容量は500kW、固定価格買取制度での売電価格は36円/kWh。建設費は約2億円を計上しており、うち2000万円を寄付金から調達、残りを銀行からの融資もしくは国・県からの補助金をあてる予定だ。

募集する寄付金は1口1万円から、何口でも申し込み可能。寄付金の提供者には5年間毎年、柚子のシーズンに2000円相当の柚子が贈られる。また、2口以上の場合は2000円相当の柚子加工品に変更もできる。ギフトとして送りたい場合にも、送り先を任意で指定できる仕組みだ。

同社は、本計画にあたり太陽光発電の売電収入を得るだけでなく、その収益で地域の特産物を仕入れ、販売できないかと考えた。ただし、発電事業者は特別目的会社(SPC)であり、本事業前の柚子の販売は危惧すべき点もあるため、『お土産つき寄付金』としてゆず製品を提供する。

木頭村はかつて2次被害の懸念される細川内ダム建設計画に村全体で反対し、計画を停止させた。その実績から、木頭村の自立した地域経済と環境に配慮したエネルギー政策を実施するために、地域住民の力を借りて株式会社きとうむらを1996年に発足。現在、同社の株の85%を地域住民が保有している。きとうむらは今後も様々な地域経済の活性化を図り、活動していく方針だ。

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