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市民ベースの長野・飯田の「おひさまエネファンド」太陽光発電事業 資金管理ずさん 証券監視委が金商法違反容疑で勧告へ(毎日) マンパワー不足が課題

2014-05-15 21:09:58

ohisamafundキャプチャ
ohisamafundキャプチャ太陽光はバイオマス(生物資源)などによる発電のため市民から出資を募るファンドの販売会「おひさまエネルギーファンド」(長野県飯田市)の資金管理がずさんだとして、証券取引監視委員会は15日、金融商品取引法違反の疑いで同社を行政処分するよう金融庁に勧告する方針を固めた。再生可能エネルギー事業をめぐる勧告は異例。

 

資金の消失は確認されておらず、経営継続が可能であることから、金融庁は業務停止命令や登録取り消しではなく、業務改善命令を出すとみられる。(牧野宏美)

 

同社は2004年に設立。一口10万円~300万円で資金を集め、関係の深い事業会社などが発電し、売電による収益を出資者に分配している。現在、8つのファンド(出資総額約24億円)を販売しており、出資者数は述べ約2700人。

関係者によると、おひさまエネルギーファンドが販売した8つのうち6つのファンドは、出資者への配当資金と、発電事業会社に払う委託費を分けて管理していなかった。また、あるファンドの配当金の不足分を、別のファンドの資金で補うなどしていたとみられる。昨年12月に検査に乗り出した監視委は、資金が適切に管理されていることを確認するよう義務付けた金商法に違反すると認定した模様だ。

電力会社が原則20年間決まった価格で電気を買い取る「固定価格買取制度」の導入(12年7月)などを機に、市民からの寄付や出資で小規模発電を行う取り組みが広がる。NPO法人「気候ネットワーク」によると、13年9月時点で全国に約120団体あり、おひさまエネルギーファンドは先駆者的存在。同社のように、ファンドによって資金を集める場合、第二種金融商品取引業者の登録が必要となり、金商法の対象となる。

同社の原亮弘社長は3月、取材に対し検査を受けていることを認めたうえで「公認会計士と顧問契約する力は無く、マンパワーが不足している」と話していた。

対策検討すべきだ

藤井良広・上智大学教授(環境金融論)の話 固定価格買取制度導入移行、収益が安定指導用のファンドは今後も増えていくだろう。一方でファンドの運営には、マンパワー不足などの問題があり、国は再生可能エネルギー普及のため、運営者が公認会計士ら専門家に相談できる体制を整備するなど対策を検討すべきだ。