HOME13 原発 |2016年サステナブルファイナンス大賞受賞式。大賞の損保ジャパン日本興亜「2025年までに、東南アジアで3万軒の農家に天候インデックス保険を販売」へ。日本生命はESG投資が1500億円に達したと説明(RIEF) |

2016年サステナブルファイナンス大賞受賞式。大賞の損保ジャパン日本興亜「2025年までに、東南アジアで3万軒の農家に天候インデックス保険を販売」へ。日本生命はESG投資が1500億円に達したと説明(RIEF)

2017-01-23 21:59:51

sustainablefinance1キャプチャ

 

  一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)主催の2016年サステナブルファイナンス大賞の受賞式が23日午後、日本プレスセンター(東京・内幸町)の日本記者クラブ会見室で行われた。大賞に選ばれた損害保険ジャパン日本興亜をはじめ、9社の受賞企業が勢ぞろいし、表彰された活動の成果報告を行った。

 

 大賞に選ばれた損害保険ジャパン日本興亜は氏家佳世子CSR室長が、2010年からタイで販売を始めた天候インデックス保険が、現在は、ミャンマーのほか、インドネシア、フィリピンでも販売または準備、調査中という形で広がっていると説明した。また台風被害のフィリピン以外では、干ばつ被害が大きく、東南アジアの農業が気候変動の影響等を受けていることを示唆した。

 

 また国連が主導する「ビジネス行動要請(Business Call to Action)に参加し、2025年までに東南アジア全体で3万軒の小規模農家に天候インデックス保険を提供する目標を立てている、と述べた。

 

サステナブルファイナンス大賞を受賞した損保ジャパン日本興亜の氏家CSR室長(左)
サステナブルファイナンス大賞を受賞した損保ジャパン日本興亜の氏家CSR室長(左)

 

 優秀賞の日本生命は、グリーンボンドをはじめとするESG債への投資を1000億円台に乗せたことが評価されたが、大関洋取締役執行役員は同社の投資額が現在は、さらに積み増して1500億円と5割増になっていると報告した。世界銀行の「サステナブル・デベロップメント・ボンド」のほか、チリ国立銀行の女性の活躍支援のための「ウーマンボンド」なども投資対象に含まれている。

 

 三菱UFJフィナンシャル・グループは、国際金融規制によって大銀行に導入が決められているTLAC(総損失吸収力:Total Loss-Absorbing Capacity)ボンドの一部を、グリーンボンドで調達する仕組みを編み出した。藤田徹CFO室長は、同ボンドが国際的なグリーンボンド標準となっているグリーンボンド原則(GBP)に沿ったフレームワークで発行していることを説明。

 

 グリーンボンド部分は、TLAC債で調達した資金を傘下銀行の三菱東京UFJ銀行を通じて、グローバルな再生可能エネルギー事業に融資する二段階の仕組みをとっているとした。その際、融資先プロジェクトの選定には、国際プロジェクトファイナンスのESG基準である赤道原則に準拠したものに限定している。

 

ESG債投資が1500億円に達した、と説明する大関日本生命取締役執行役員
ESG債投資が1500億円に達した、と説明する大関日本生命取締役執行役員

 

 三井住友信託銀行はスチュワードシップ推進部の川添誠司主管が、国際的な規範に基づくエンゲージメント活動としてパーム油と、クラスター爆弾に関連する多国籍企業に向けて直接の働きかけを実施してきた経緯を説明した。

 

 日本で初めて格付け手法を応用したグリーンボンドのアセスメントを開発した格付投資情報センター(R&I)は、田中英隆取締役専務執行役員が、グリーンボンドに対する複数の第三者評価の手法のうち、格付けによるアセスメント手法の利点として、多数のグリーンボンドの「グリーン度」を比較できる点を強調した。

 

 

国際賞を受賞したルクセンブルク証券取引所のBehin戦略・開発部長(左)
国際賞を受賞したルクセンブルク証券取引所のBehin戦略・開発部長(左)

 

 その他、クレディアグリコル証券、滋賀銀行、秋田県信用組合、ルクセンブルク証券取引所がそれぞれ受賞した。なお、本サイトでは、今後、各受賞企業の受賞対象の概要を、担当者インタビューの形で随時掲載する予定。

http://rief-jp.org/award