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グリーンピースが 東電福島原発事故で福島県から避難している女性を、国連人権理事会の事前セッションに派遣する費用をクラウドファンディングで調達へ(RIEF)

2017-09-20 19:57:43

GB3キャプチャ

 

 環境NGOグリーンピース・ジャパンは、東京電力福島第一原発事故で福島からの避難を余儀なくされ続けている女性を、10月にスイス・ジュネーブで開く国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)事前セッションに送る資金を調達するため、クラウドファンディングを始めた。

 

 原発事故から6年半が経った現在、依然、放射線レベルが高い地域が広がるが、政府は「平穏を取り戻した」ことをアピールするため、住民の帰還政策を強引に推し進めている。グリーンピースは、そうした政府の政策の結果、原発事故の影響を受けた被害者、特に女性と子どもへの人権侵害が深刻化していると指摘。園田さんは被害者を代表して、10月12日にその状況を国際舞台で訴える予定という。

 

 グリーンピースはUPR事前セッションへの原発事故被害者のスピーカー申請を行い、園田さんがスピーカーの一人に選ばれた。国連人権理事会は来年3月の本会合で本審査の「結果文書」を採択する予定で、今回の園田さんの発言は、原発事故をめぐる人権侵害を立証するものとして、文書に盛り込まれることが期待される。

 

 

 そうなると、日本で政府主導で推進している原発被災地での人権侵害が深刻な人権問題として国際的に認知され、日本政府に対しては改善勧告が出される可能性がある。

 

 クラウドファンディングで調達するのは、園田さんと彼女をサポートするグリーンピースの専門家2人の合計のスイス・ジュネーブまでの旅費、11日間の滞在費、国連各国代表者との会合費用等の一部の資金。合計250万円を目指している。呼びかけは15日に始め、20日時点で168万5500円を集めた。https://v2.japan-payment.com/greenpeace/cloud/donate_input.php

 

 

 園田さんは、福島県の自然豊かな山間部で地域のつながりを感じながら、夫と息子と三人で暮らしていましたが、事故後、息子への被ばくを懸念し故郷を離れて避難生活を続けている。しかし政府は、原発事故被害者への賠償や住宅支援を打ち切って、放射能汚染が続く地域へも帰還を促進する政策を強引に進めている。

 

 

 園田さんは、「私にとって、子どもを守ること以上に大切なことはありません。だから避難生活を続けているのです。国、東京電力には、誠意をもって福島第一原発事故の責任をとっていただきたいです。そのために、グリーンピースと一緒に国連に行き、私たちの経験をお話しして、国際社会の目を向けたいと思います」と語っている。

 

 グリーンピース・ジャパン、シニア・グローバル・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチ氏は、「日本政府は、原発の再稼働を進めるために、福島への帰還政策を推進している。原発事故の被害者、特に女性と子どもへの人権侵害は、事故以降ずっと続いており、この6年半で悪化している。私たちは、日本政府の帰還政策によって引き起こされている人権侵害の状況を国際社会の目にさらし、当事者の声を届けることによって、原発事故被害者の人権状況の改善につなげたいと考えている」と語っている。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20170915/