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グリーンピースの「福島からの避難女性」を国連人権理事会の事前セッションに派遣するクラウドファンディング、目標額以上を達成(RIEF)

2017-10-02 11:52:44

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  環境NGOグリーンピース・ジャパンが、今月、スイス・ジュネーブで開く国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)事前セッションに、東京電力福島第一原発事故で福島からの避難を余儀なくされている女性(園田さん)を派遣する資金をクラウドファンディングで集める活動をしていたが、6日間で250万円の目標額を達成した、と報告した。

 

 原発事故から6年半が経ったが、依然、現地の福島県の被災地では、放射線レベルが高いままだ。政府は「正常化した」とアピールするため、住民の帰還政策を強引に推し進めている。グリーンピースは、そうした政府の政策の結果、原発事故の影響を受けた被害者、特に女性と子どもへの人権侵害が深刻化しているとして、園田さん(プライバシーに配慮して、姓だけ公表)を被害者代表して、UPR事前セッションに派遣する計画を立てた。

 

 派遣の必要費用は、園田さんと彼女をサポートするグリーンピースの専門家2人の合計のスイス・ジュネーブまでの旅費、11日間の滞在費、国連各国代表者との会合費用等の一部の資金で、合計250万円。9月15日にクラウドファンディングの呼びかけを開始、5日間で150万円を集めた。さらに6日目に累計250万円の目標に達した。9月27日時点で、263万9600円となり、振込み予定の分も含めると、310万円ほどになるという。募金者は約800人。

 

 

 この結果、園田さんは10月12日に避難者の現状の状況を国際舞台で訴えることができるようになった。また、グリーンピースのサポーターたちは、現地で「原発事故被害者の暮らしをまもって」と訴える支援者のメッセージを載せた巨大な折り鶴のアート作品を制作し、スピーチ当日、国連前に設置する予定。

 

 グリーンピースでは「短期間で当初の目標額を大幅に上回るご寄付をいただきました。深く感謝申し上げるとともに、皆さまの当問題への関心をしっかりと受け止め、原発事故被害者の実情を国際社会に届けてまいります」とコメントしている。 また園田さんのスピーチ前後の国連会議での様子やアート作品などについては、グリーンピースのSNS等で現地から中継する予定。

 

 国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)は、国連加盟国(193カ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度。今年は、日本についての審査が行われる。10月の事前セッションのあと、11月の作業部会で国連加盟国すべてが議論に参加、審査結果としての「結果文書」は来年3月の人権理事会本会合で採択される。

 

 グリーンピースと園田さんは、来年3月の「結果文書」に、原発事故をめぐる人権侵害についての指摘が盛り込まれるよう各国に働きかけることを目指している。実現すれば、原発事故に起因する人権侵害が、いま日本で起きている深刻な人権問題の一つとして国連に認知され、日本政府に正式に改善勧告されることになる。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20170928/