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国内初のメガワット級の廃食油発電所、茨木・土浦市で始動。廃食油4000㌔㍑⇒一般家庭3300世帯分の電力に(各紙)

2018-01-26 09:54:39

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 各紙の報道によると、廃食油を燃料にした国内最大のメガワット級バイオマス発電所が茨城県土浦市で完成した。地域のレストランやスーパーなどの事業所から廃棄油を回収、2MWの発電出力となる。一般家庭3300世帯分の電力を作り出せる。

 

 廃油バイオマス発電所が設立されたのは土浦市の木田余。発電所は売電会社「つくばグリーンパワープラント」(土浦市)が、総事業費約4億円で建設した。原料となる廃食油の調達や、発電した電力を小売りするのは電力小売会社「ゼロワットパワー」(千葉県柏市)が担当する。

 

 発電所の敷地面積は約2000㎡。ディーゼル発電機を使い、最大で年間約4000㌔㍑の廃食油を消費する。来月から売電を始める予定。

 

 原料の廃食油は、地域のレストランやスーパーなどの事業所からの廃棄油を調達する。処理業者3社と、同県下妻市内の農事組合法人「百姓倶楽部」などから調達する。発電した電力はゼロワットパワーが一旦購入し、同社が、つくば市内の工場や、常陸太田市内の病院、大洗町のホテルなど県内約10カ所と契約し、売電していく。

 

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 同事業は、下妻市内の農事組合法人「百姓倶楽部」などが、土浦市で廃食油リサイクルを目指す中で、廃食油を発電事業に利用することを考え、つくばグリーンパワープラントを設立した。今後、別の場所でも発電所の新設を目指す、としている。

 

 廃食油バイオマス発電は、太陽光や風力発電のように気象条件に左右されない利点があり、安定的に発電できるのが特徴だ。ただ、廃食油を集めたり精製したりするコストなどが課題という。廃食油は、家畜の飼料やインクの原料にリサイクルされるほか、海外に燃料用などで輸出されることが多い。

 

 ゼロワットパワーの佐藤和彦社長は「安定的なバイオマス発電は、一定割合で増やす意義がある。廃食油を提供してくれる企業などに、再利用によるエネルギーを供給していきたい」と話している。

http://zerowattpower.co.jp/

http://tgpp.co.jp/about/

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201801/CK2018012602000173.html