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第一勧業信用組合(東京)、国際的なサステナブルバンク・ネットワークのGABVに参加へ。日本の金融機関で初めて。来週にも承認(RIEF)

2018-06-18 17:52:06

DKC1キャプチャ

 

 東京都内を拠点とする第一勧業信用組合(新宿)は、国際的な持続可能な金融機関のネットワークであるGABV(Global alliance for banking on values)に、参加することがほぼ決まった。GABVのピーター・ブロム議長らが来日、来週の理事会での承認される見通し。日本で初めてサステナブルバンクとして国際的に承認されることになる。

 

 (写真は、来日したGABVの議長、事務局長を囲む第一勧信のメンバーたち)

 

 GABVは、2008年のリーマンショックによって、国際的な大手銀行が各国で資金供給を絞り込んだ際、地域の中小企業やコミュニティ等へのファイナンスを支援するため、オランダの環境銀行のトリオドスバンク等のサステナブル分野で活動してきた金融機関が組織した国際的ネットワーク。「利益よりも価値を重視した金融」を目指し、金融の本来の役割の回復と発展を目指してネットワークを広げている。

 

 参加金融機関は、大規模金融機関ではなく、地域のコミュニティバンクや環境銀行、社会的銀行など、コミュニティに立脚したところが大半。2009年の設立時は9行による小規模な連携だったが、現在は51金融機関に増えている。欧米だけでなく、途上国の金融機関も参加しており、「価値を重視した金融」の展開を実践している。

 

 第一勧信は東京23区を基盤にする信用組合だが、全国の地方の信組や地銀等ともネットワークを結んで、地方経済の活性化を目指して東京市場の消費者や顧客等との連携を仲介するなど、幅広い活動を展開している。新田信行理事長は「信用組合の運営方針として、『人とコミュニティの金融』、『育てる金融』等を推進してきた。GABVの『利益よりも価値に重きを置く金融』はまさに、われわれが目指す方向と同じ」と、参加理由を語っている。

 

 GABV議長のブロム氏(オランダのトリオドス銀行CEO)は「第一勧信の参加は来週のGABV理事会で承認することになる。収益よりも投融資先の価値を重視する金融機関がグローバルに増えることが望ましい。経済を安定させるうえで銀行セクターの役割の重要性を証明するために、この活動を展開している。金融機関は画一的な機関よりも、多様な存在が望ましい。金融のダイバーシティだ。第一勧信には、日本でもそうした銀行のオルタナティブなベンチマークを作ってもらいたい」と期待を示している。

 

 さらにブロム氏は、今後2020年に向けて、グローバルな参加金融機関数を70~75機関ほどに増やしたいとの意向も示した。そのうちで、日本については「2~4機関が参加してくれれば十分だ」と展望している。

 

 最近はサステナブルファイナンスの分野でも、署名をすれば参加できるという「国際イニシアティブ」も増えているが、GABVへの加盟は厳格な活動実績の評価に基づいて行われる。また参加後の活動についても、毎年、チェックを受け、資金使途先の情報開示等を進めることが求められる。一方で、人材育成やリスクマネジメント手法の開発等を共同で推進するほか、米MITも加わったリーダーシップの育成プログラム、ベストプラクティスの開発等も行っている。

 

 第一勧信は、本店を東京新宿に置き、都内26の店舗網(出張所含む)を持つ。貸出金は2456億円、預金・積金合計3171億円、純資産140億円、組合員数4万4081人、役職員数375人。

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