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四国・愛媛の内子町で、地元の森林資源と地元の資金を活用したバイオマス発電所完成。エネルギーの「地産地消」のモデル(RIEF)

2018-10-23 21:06:48

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 四国・愛媛県の山間の町、愛媛県内子町で進められてきた「内子バイオマス発電所」が完成した。同町は人口約2万人のうち3人に1人が65歳以上という高齢化の町でもあるが、地域に豊富な森林資源を活用し、燃料の木材は全量、地元で調達するバイオマス発電を立ち上げた。資金も地元の金融機関などが拠出、文字通り「地産地消型発電所」の誕生となる。

 

 竣工式は31日に発電所(同町寺村)で行う。発電事業を行う合同会社は、地元企業の内藤鋼業が、町が立案した「バイオマスタウン構想」に賛同して進められてきた。地域内のバイオマス資源を地域の資金と技術を活用して開発、地域に電力を供給する仕組みだ。

 

 発電所は定格出力1115kW。発電規模2000kW未満の商用小型発電所としては四国で初めての施設となる。発電した電力は固定価格買取り制度(FIT)を利用して全量、四国電力に売電する。

 

 

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 年間発電量は約883万kWhを見込む。発電開始は竣工式と同時に行う。発電設備の設計・施工はシン・エナジー(神戸市)が担当。ドイツ・ブルクハルト社製の小型高効率木質バイオマス熱電併給装置6機と、米国のアクセスエナジー社製のバイナリー発電装置1機を採用している。

 

 燃料は、地元の内子町森林組合や地元林業事業者から、間伐材・低質材を中心とした未利用木質原木等を調達する。内藤鋼業(愛媛県内子町)に送られる。同社はそれらの原料を木質ペレットに加工、隣接する発電所へ供給する。発電所は、内子町の土地の借りて建設した。

 

 発電端効率は33%超、送電端効率は30%超で、これは3万kW級木質バイオマス発電設備の発電効率に匹敵する、という。発電効率が高いうえに、発電時に発生した熱はバイナリー発電設備によって電力として回収することで高い発電効率を実現できる。

 

 プロジェクトに必要な資金は内藤鋼業、藤岡林業(愛媛県内子町)、新興工機(愛媛県松前町)、NECキャピタルソリューション(東京都港区)、シン・エナジーの5社が、ソーシャルビジネスパートナーズ(同)より、ファンド組成の支援を受けて出資する。また、地元の伊予銀行も融資する。

 

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