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ふくしまNPOバンク、県内信組と復興に向けて提携NPOローン(FGW)

2011-04-03 18:24:31

地震と原発被害に直面している福島県内で、地域おこしや起業家支援などを推進する「ふくしまNPOバンク」は、4月から県内の4信用組合と提携したNPO向けローンの取り扱いを開始した。ローンの名称は「ふくしまNPO元気支援ローン」。復興支援や、原発事故による被災者救済活動を行うNPO等の資金繰りを助ける。 

ふくしまNPOバンク(郡山市)は昨年設立された。市民出資を元に、自ら非営利事業等に融資を手掛ける他のNPOバンクとは異なり、ふくしまバンクは、市民有志の出資金を全額信組に預託金として預け、預託金の10倍までを限度に信組がNPOローンを行うという仕組み。またバンクは、NPOに対する信用保証を引き受ける。したがって、他のNPOバンクのように貸金業資格を取得しなくても済む。提携信組は県商工信用組合(郡山市)、会津商工信用組合(会津若松市)、いわき信用組合(いわき市)、相双信用組合(相馬市)。

 NPOからの融資申し込みに対して、NPOバンクが信組と共に、事業計画などを審査し、50万円から最大で300万円までを貸し出す。主な資金需要としては、NPOの運転資金のほか、公的機関からの補助金が入るまでのつなぎ資金、設備資金などを想定している。期間は1年以内、利率は保証料率を含めて年5%を予定している。これまで先行的に実施してきた県商工信組の事例では、過去1年間に8件、1600万円の貸出を行っている。

バンクと信組の提携拡大は、地震発生の前に決定したため、地震でその後の実施が危ぶまれていたが、むしろ地域復興、被災者支援のNPO活動の活発化による資金需要が見込まれるため、予定通り、今月から貸出を実施することにした。