国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)もコロナウイルス感染拡大の影響で、延期か中止か。関係者が協議へ。オンライン会議案も(RIEF)
2020-03-19 00:37:37
新型コロナウイルス肺炎の世界的拡大で、多くのイベントや国際交流等が延期や中止になっている。11月に英国グラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)も、延期されるか、中止されるか、あるいはオンライン会議での開催に切り替えられる可能性も浮上してきた。
すでに英紙等では気候変動関係者の話として、延期等の議論が起きていることが報道されている。仮に延期されると、COPの歴史では初めてとなるほか、昨年、急遽、開催地をチリからスペインにCOP25に続いて、2年連続で「異例の会議」になる可能性がある。
現在、国連気候変動事務局(UNFCC)はコロナウイルス対策で4月末まで、物理的会議をすべて停止している。その間、COP26に向けて必要な協議についてのオンライン会議等での支援対応を進めるとしている。
COP26は東京オリンピックよりも先の11月開催なので、それまでにコロナウイルス感染の収束も期待される。ただ、懸念されるのは、会議に世界195カ国から3万人以上の人々が集まるほか、本番だけでなく、本番までに何度も事前の調整会議等を重ねる必要がある点だ。それらを含めて、ウイルスの影響をかなり受ける可能性がある。
一方で、現行のCOP会議は、気候変動政策を議論するグローバルな場にも関わらず、多数の人々が世界中から一カ所に集まって会議を重ねることで、参加者が利用する航空機によって温室効果ガス排出量が追加されてきたとの批判もある。COP25では、訪米中だったスウェーデンの環境活動家のグレタ・ツゥーンベリさんが飛行機を避けて、ヨットでマドリード入りした。
また、これまでのCOPでは、各国代表の公式の演説等とは別に、舞台裏での協議が中心となるため、会議自体が不透明化、形骸化しているとの批判も少なくない。オンライン会議やビデオ会議を中心にすると、世界中の人々がネットを通じて参加できるメリットもあり、公正な協議が進行するとの賛成論もある。
ただ、世界195カ国、3万人をつなぐオンライン会議は時差の調整や、インターネットへの接続スピード、言語の翻訳等の技術的な壁がいくつもある。特に政府代表はともかく、これまで会議の盛り上げに奮闘してきたNGOらの参加が難しくなるとの指摘もある。