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洋上風力発電事業市場で、五洋建設がベルギーの洋上風力発電建設大手と協働の覚書締結。国内企業と欧州の風力関連企業の連携相次ぐ(RIEF)

2020-03-24 21:50:45

goyo1キャプチャ

 

 五洋建設は日本での洋上風力発電事業を拡大するため、洋上風力建設分野で世界的な実績のあるベルギーのDEME Offshore社と協働の覚書を結んだ。日本での洋上風力発電市場は、昨年4月の「海洋再エネ整備法」の施行によって開発に道が拓かれたことになり、欧州勢を中心とした洋上風力発電関連企業と国内主要企業との連携が相次いでいる。

 

 (写真は、洋上風力発電の建設事業に従事するDEME Offshoreの作業船)

 

 五洋建設は海洋土木工事の主要企業として、海洋土木工事での豊富な実績と知見を有している。これまでも、北九州港響灘地区で洋上風力発電の実証機の設計・施工、撤去作業を担うなど、取り組みを進めてきた。今回、協働で連携するDEME Offshoreは、ベルギーの海洋土木建設会社、DEME Groupの子会社。欧州での洋上風力建設分野のパイオニア。今年1月には2200基の洋上風車の据付を達成している。

 

欧州北海での洋上風力発電設備の建設状況
欧州北海での洋上風力発電設備の建設状況

 

 日本の海底は、遠浅の多い欧州とは異なり、傾斜が急なところが多いほか、海底地盤も砂地盤と岩盤が入り混じったり、軟弱地盤があるなどの複雑な要素が多い。また、気象条件も台風や急速に発達する低気圧などの襲来による高波や突風なども多い。さらには地震の発生も前提条件に入ってくる。

 

 五洋は「こうした環境下で洋上風力発電を展開するには、厳しい自然条件を克服して合理的な設計と施工を実現する必要がある」と指摘、DEME Offshore社の豊富な経験・技術ノウハウと、五洋建設の経験・技術を組み合わせることで、総合的な解決策を提供できる、と強調している。

 

 DEME社は洋上風力の建設に欠かせない400~1500㌧吊の大型クレーンを搭載した7隻のSEP船(自己昇降式作業台船:Self-Elevating Platform)を保有するほか、ケーブル敷設やメンテナンスなどのための作業船を数多く保有している。一方、五洋は、国内最大の800㌧吊クレーンを搭載したSEP船「CP- 8001」を保有しているほか、現在、1600㌧吊クレーン搭載のSEP船を建造中。

 

 洋上風力発電市場の拡大を想定して、東京電力ホールディングスが今月半ばに、洋上風力発電事業世界最大手のデンマークのアルステッド社と、茨城県の銚子沖風力発電事業で共同会社の合意を発表したほか、大阪ガスは豪マッコーリーグループのアカシア・リニューアブルズと協力協定を結ぶなど、相次ぐ企業連携が広がっている。

http://www.penta-ocean.co.jp/news/2020/200324.html

https://www.deme-group.com/index.php/activities/offshore#