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三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、固体酸化物燃料電池とマイクロガスタービン組み合わせの複合発電システム、安藤ハザマに納入。将来は水素燃料でCO2ゼロ発電可能目指す(RIEF)

2020-04-09 22:22:45

andou1キャプチャ

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)を組み合わせた加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)の商用2号機を、安藤ハザマの技術研究所(茨城県つくば市)に納入、運転を開始した。同システムは都市ガスを燃料としてCO2排出量を削減できるほか、将来的には水素燃料へ切り替えてCO2排出ゼロ発電が可能という。安藤ハザマが進める「次世代エネルギープロジェクト」の中核エネルギーシステムとなる。

 同発電システムは「MEGAMIE(メガミー)」の名称。商用1号機は、2019年2月から、三菱地所が保有する東京・丸の内ビルディングで自家用コージェネシステム(熱電供給)として稼働中。今回の2号機は、企業内事業所を横断的に結んだエネルギー供給システムとなる。MHPSは昨年、安藤ハザマから受注していた。

 同設備は、都市ガスを燃料とし、約900℃の高温で作動するセラミックス製SOFCとMGTの両方で発電する。都市ガスは燃焼させず、SOFC内でガスを改質して水素やCOを取り出す。そのうえで空気中の酸素と直接、化学反応させて発電する。燃焼を伴わないので発電中にCO2を排出しない。またその後にMGTを使って発電することで燃料を有効利用できる。

安藤はざまのプロジェクトに組み込まれた「MEGAMIE」
安藤はざまのプロジェクトに組み込まれた「MEGAMIE」

 コージェネレーション(熱電併給)の場合は、残りの排熱を蒸気または温水として回収するため、総合効率はそれぞれ65%以上、73%以上に達するとともに、従来の発電システムに比べて顧客の工場・ビルからのCO2排出量を約47%削減できるという。

 安藤ハザマは、国土交通省の支援を受けて推進する次世代エネルギープロジェクトを運用中で、MHPSのシステムを分散型自家発電設備として採用した。同設備で発電した電力を事業所内で自己託送制度を活用して自社利用することで、低炭素社会にふさわしいグリーンファクトリーを実証する。ガスエンジンは将来、水素燃料の混合が可能で、大容量ナトリウム硫黄電池を組み合わせている。

  MEGAMIEの発電容量は現在は、250kWだが、MHPSは電力需要の大きなユーザー向けに、MHPSの長崎工場で1MW級プロトタイプ機の実証を進めている。1MW級が実用化できると1基でオフィスビル1棟分、住宅なら約300世帯分の電力を充当することができる。

https://www.mhps.com/jp/news/20200409.html

https://www.ad-hzm.co.jp/info/2020/pre/20200313.html

https://www.mhps.com/jp/products/sofc/pdf/megamie250.pdf