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米バーモント州でフラッキング禁止法成立へ(Reuters)

2012-05-11 14:25:21

フラッキング法で採掘されたガスのフレア(2012年1月9日、米ペンシルベニア州ブラッドフォード郡)
【8日ロイター時事】頁岩層ガス(シェールガス)採掘で使われるフラッキング(水圧破砕)法が環境に悪影響を与えるとの批判がある中で、米北東部のバーモント州はこの採掘法を禁止する最初の州となりそうだ。ただ、同州ではこの方法でもガスや石油は採掘できていないため、実際的な意味はなく、象徴的な法律となる。

 頁岩層に含まれるガスや石油は以前は採掘が困難だったが、化学品を混ぜた大量の水を放出するこの方法が開発されて、容易に生産できるようになった。しかし、同時に、環境保護団体などの間では、これが地下水を汚染したり地震を誘発したりするとの批判も高まっている。

 バーモント州の上下両院は先週、フラッキング法を禁止する法案を可決。今は法制局が最終チェックをしている。州政府の広報担当者は「シャムリン知事はフラッキング禁止を支持している。法案が届けば署名する」と語った。

 シェールガスは特にペンシルベニア、ニューヨークなどの州にまたがるマーセラス地帯で採掘が盛んだが、バーモントはここから外れたところにあり、天然ガスはほとんど産しない。米エネルギー情報局(EIA)によれば、1960~2009年の間に同州ではガス、石油とも生産量はゼロだった。

 米国ではフラッキング抑制の動きが広まっており、ニューヨーク、メリーランドの両州では環境面での見直しをするため、フラッキングによる採掘を一時停止している。ワイオミング州は10年、米国では初めて、この採掘法で使用する化学品の情報開示を開発企業に義務付けた。これにはテキサス、ミシガンの両州が追随した。

 一方、オハイオ州のケーシック知事は同法で使った、さび止めや抗菌剤が入った大量の水を井戸に捨てるのを制限しようとしている。これは、同州のヤングズタウン近くで、9200フィート(2760メートル)の廃棄用井戸に関連したと見られる一連の地震が起きているためだ。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012051000259

フラッキング法で採掘されたガスのフレア(2012年1月9日、米ペンシルベニア州ブラッドフォード郡)