HOME8.温暖化・気候変動 |2018年7月の西日本豪雨。川の決壊で洪水被害を受けた被災住民、国などに対して、 6億円余の賠償請求。岡山地裁に提訴。国の温暖化対応の不備を問う(各紙) |

2018年7月の西日本豪雨。川の決壊で洪水被害を受けた被災住民、国などに対して、 6億円余の賠償請求。岡山地裁に提訴。国の温暖化対応の不備を問う(各紙)

2020-04-16 16:47:47

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 各紙の報道によると、2018年7月に西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町の住民など約30人が、川の堤防が決壊したのは対策を怠ったことが原因だとして、国などに対し、約6億4000万円の賠償を求める訴えを岡山地方裁判所に起こした。国の温暖化対策の不備を問う形でもある。

 NHKの報道によると、2018年7月の西日本豪雨で、倉敷市真備町では町を流れる小田川や支流の堤防が相次いで決壊した。その結果、約5400棟の住宅が水に浸かって全半壊し、市内で約4000人が一時、避難生活を強いられた。

 今回、被災した住民等のうち32人が、川の堤防が決壊したのは、事前の対策を怠ったことが原因だなどとして、堤防を整備した国や、岡山県と倉敷市、それに中国電力に対し、合計約6億4000万円の賠償を求める訴えを起こした。

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   訴状によると、国の責任については、氾濫が起きた2つの川の合流地点で50年近く前に計画した護岸工事を実施しないままで放置してきたこと、岡山県の責任については、川の堤防に設置されたゲートを水量が増大したにもかかわらず、封鎖しなかったことなどで、洪水被害を拡大した、と指摘している。

 倉敷市については、住民への避難指示が遅れたこと、中国電力は、管理するダムで大雨になる前に放流せず、ダムの容量の確保を怠ったことが過失にあたると主張している。


 原告の住民側弁護士によると、西日本豪雨をめぐって岡山県の被災者が訴えを起こすのは初めて。訴えを起こした住民の1人、加藤寛治さん(72)は豪雨で自宅が全壊し、今も「みなし仮設住宅」で暮らしている。加藤さんは「当初は自然災害なので仕方がないと思っていたが、自分の人生を台なしにした責任がどこにあるのか、明らかにしてほしい」と話している。


 弁護団団長の金馬健二弁護士は「明らかに人災だ。裁判で責任を追及することで、二度と同じような被害が起こらないようにしたい」と強調している。今回の提訴について、被告側の国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所、岡山県、倉敷市、中国電力は、いずれも訴状が届いていないことなどを理由に「コメントは控えたい」としている。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012388821000.html?utm_int=news-saigai_contents_list-items_003