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ミネラルウォーターのエビアン、グローバルベースでカーボン・ニュートラルを達成。製造から容器、販売流通等でのCO2排出量をゼロに(RIEF)

2020-04-21 18:11:04

Evian2キャプチャ

 ミネラルウォーターのエビアンは21日、グローバルベースでのカーボン・ニュートラル認証を取得したと発表した。英規格協会BSIが定めるカーボンニュートラル認証のPAS2060を、原料の製造から容器の負荷、ボトル詰め、配送・流通まで、トータルでCO2排出量がネットゼロとの認証を得た。エビアンを提供する仏ダノンは、2015年のパリでのCOP21に際して、2020年のカーボン・ニュートラル目標を宣言しており、予定通りに達成できた。

 PAS2060への適合については、英非営利団体のカーボントラストが認証を与えた。エビアンの主要市場である米、カナダ、ドイツ、スイスのほか、各地のボトル詰め工場でのカーボン・ニュートラルを評価された。この結果、世界中のエビアンがCO2排出ゼロであると立証された。

 PAS2060のカーボン・ニュートラル認証は、商品全体のConception、製造のProduction、販売・流通でのDistributionの3分野に分けて、CO2排出量の削減(中立化)を求めている。Conception では、製品の容器ボトルの製造から廃棄までのライフサイクルにわたっての削減を求めている。ボトルの軽量化やリサイクル素材の利用等も含まれる。

 Evian32キャプチャ

 ボトルの軽量化はその分、CO2排出量を削減する。1993年から2018年の間、エビアンの主力商品の1.5㍑ボトルの容器の重さは17%軽くなった。リサイクル素材(rPET)は、通常のプラスチック容器に比べCO2排出量を半減させる。現在、エビアン全体でのグローバルなrPET使用率は30%だが、製品によっては100%化も達成しているという。

 今年後半からは、ペットボトル素材を100%使用したボトル容器(bottles made from bottles)の使用も開始する。2017年にフランスの工場の電力を再生可能エネルギーに転換したのをきっかけに、これまでにボトル製造工場等の再エネ化等の設備投資に2億8000万㌦を投じてきた。その結果、2015年から19年にかけて、ボトル工場でのカーボン・フットプリントを90%削減した。

 販売・流通面では、エビアンのほぼ半分は工場から鉄道を使って出荷されるため鉄道輸送モデルの転換によるフットプリント削減を進めた。たとえば英国では、トラック輸送よりも7分の1もフットプリントを軽減できているという。

工場の電力は再エネ電力
工場の電力は再エネ電力

 ダノンのエビアン担当VPのShweta Harit氏は「われわれはこれまで、エビアンの環境フットプリントをできるだけ引き下げることに力を入れてきた。その成果として、本日、カーボン・ニュートラルを宣言できたのは非常に重要なことだ。現在、世界は、新型コロナウイルス感染に直面している。われわれはますます、生活、社会において、長期的な変化を創り出していかねばならない」と述べている。

 さらにHarit氏は、今回のカーボン・ニュートラル達成は「われわれにとって、一つのマイルストーンに過ぎない」と指摘。今年後半には新たなイニシアティブを打ち出すことを明かした。現在のウイルス問題が飲食料品を扱うダノン全体に課題を与えているとの認識に基づくもので、ミネラルウォーターを超えて、食品全体のカーボン負荷、環境負荷を減少させ、生活・社会の変革を飲食の面からリードしてもらいたい。

 今回のカーボン・ニュートラル達成に際しては、自然保護団体の「Livelihoods Carbon Fund」と連携した取り組みも貢献している。自然保護活動やコミュニティの生態系改善等に取り組む同団体の植林活動だけで1300万本に達している。これらの植林からのカーボンオフセットクレジットも、カーボン・ニュートラルの達成にカウントされている。

https://www.evian.com/en_us/sustainable-bottled-water/

https://www.carbontrust.com/what-we-do/assurance-and-labelling