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JR東日本、2050年度に鉄道事業で「CO2排出実質ゼロ」目標設定。東北では2030年度に先行達成。自前の再エネ電力の開発、ハイブリッド車両や水素ステーション導入など計画(RIEF)

2020-05-13 12:31:26

JRHigashi2キャプチャ

 

 JR東日本は、2050年度に鉄道事業でのCO2排出量を「実質ゼロ」とする環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を公表した。現行の年間CO2排出量215万㌧(2013年実績)を2030年に半減させ、50年にゼロを実現する計画。太陽光や風力等の再生可能エネルギーの開発を進めて再エネ由来電力を増強、東北エリアでは2030 年度までにCO₂ゼロを先行実現する予定。

 

 JR東日本ではこれまで、グループ経営ビジョン「変革2027」で、ESG経営を柱として掲げ、省エネ車両の導入や自営火力発電所の発電効率向上、「エコステ」の整備などに取り組んでいる。これらに加えて、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」に基づき、2050年度のCO₂排出量「実質ゼロ」に挑戦する、としている。

 

JRHIgashi1キャプチャ

 

 「CO₂ゼロ目標」に向け、これまで鉄道事業について2030年度までにCO₂排出量40%、エネルギー使用量の削減目標25%(いずれも2013 年度比)としていた数値目標を、それぞれ50%、40%に引き上げる。

 

 同社のCO2排出量の51%は在来線からの排出が占める。これに対して新幹線は25%、駅・車両センター等から21%、本社・支社ビル等は3%となっている。グループ全体で再エネ開発を進め、「非化石証書 」も活用するなどで、風力発電の集中する秋田、福島等を抱える東北エリアで、先行して2030年度にCO₂排出量ゼロを実現する計画だ。

 

JRHigashi3キャプチャ

 

 グループで開発する再エネ電力は、2050 年度までに鉄道事業で使用するエネル ギーの約30~40%をカバーできるという。自営水力発電所を加えると、 再エネの割合は約50~60%と半分以上を占める。

 

 また車両のCO2削減のため、2021年度から、ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両による実証実験を鶴見線等で実施するほか、東京・山手線にオープンした高輪ゲートウェイ駅の隣接用地に水素ステーションを開設するなど、水素利活用にも力を入れるとしている。

https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200512_ho02.pdf