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「気候変動イニシアティブ(JCI)」メンバー、環境相にコロナ後の「グリーンリカバリー政策」主導を要請(RIEF)

2020-06-12 12:24:54

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 温暖化対策の推進を求める企業や投資家等で組織する「気候変動イニシアティブ(JCI)」は10日、小泉進次郎環境相とオンライン会合を開き、新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復を気候変動対策を軸に進める「グリーンリカバリー」とするよう要請した。グリーンリカバリーはEUが「コロナ後」対策で軸にする方向で調整している。JCIは日本でも同様に気候変動対策の推進につなげることを政府として検討するよう求めた。

 

 (写真は、環境省と各企業代表を結んだオンライン会合)

 

 オンライン会合には、小泉環境相のほか、佐藤ゆかり環境副大臣、八木哲也環境大臣政務官も同席した。JCIからは代表の末吉竹二郎氏(国連環境計画特別顧問)のほか、メンバー企業のCEOら7名が参加した。

 

 会合では、末吉氏が、コロナ危機後、海外企業では脱炭素への動向が「先鋭的に激しくなっている」と指摘。その理由として「政府が(脱炭素に向けた)戦略を出しているからだ。日本政府も将来への見通しがつく政策を示すべきだ。現在のところ日本企業には政府による支援がない。企業の孤立無援な状況を変えてほしい」と促した。

 

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 同席したイオンの三宅香執行役は「小売業において再生可能エネルギーの確保が難しい。国のリーダーシップ、後押しがほしい」と求めた。リコーの山下社長も「日本での再生エネ調達は難しい」と指摘。同社の拠点別の再生エネ比率は欧州50%以上、アジア40%以上、日本2%である実態を示して、日本国内の後れを指摘した。

 

 席上、JCIは①再生可能エネルギーの推進②地域における経済循環の重要性③CO2排出量をリバウンドさせない④グリーンな投資⑤石炭政策について、等について要請した。このうち、⑤では、「コロナ危機でもたらされたCO2排出量の減少を、リバウンドさせないために、再エネの普及に加えて、石炭利用の在り方を変えることが必要」と訴えた。

 

 要請を受けて、小泉環境相は「いろいろな地域で再生エネ導入を後押ししていきたい。(CO2排出量は)リバウンドさせない。環境省が全力で旗を振っていきたい」と決意を語った。しかし、経産省はこれまでに許可した新規石炭火力発電事業の見直し等の動きはとっていない。環境相の発言がまた「カラ手形」にならないよう、政府内での議論を深めてもらいたい。

 

 オンライン会合に参加したJCIの企業代表は次の通り。

青井浩( 丸井グループ代表取締役社長・代表執行役員CEO)
大関洋( ニッセイ アセットマネジメント代表取締役社長)
川崎素子(富士フイルムホールディングス執行役員)
鈴木悌介(小田原箱根商工会議所会頭/鈴廣蒲鉾本店代表取締役副社⻑)
銭谷美幸(第一生命保険経営企画ユニット部長)
三宅香(イオン執行役・環境・社会貢献・PR・IR担当)
山下良則(リコー 代表取締役社長執行役員・CEO)

https://japanclimate.org/news-topics/dialogue-with-minister/