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温暖化の進行で降雪量減少に直面するスキー場会社が、水力発電事業に取り組み。滋賀県・奥伊吹観光会社。気候変動の影響を少しでも和らげたいと。2年後に完成(RIEF)

2020-08-02 21:55:00

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 温暖化の進行で、冬季の雪の減少を実感するスキー場会社が、気候変動に少しでも対応するため、水力発電事業に乗り出す。滋賀県でスキー場「グランスノー奥伊吹」を経営する奥伊吹観光会社で、スキー場が位置する奥伊吹山系の淀川水系・姉川支流瀬戸谷川に「最大出力199kW」の水路式発電所を建設、2022年に稼働する予定。発電電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して関西電力に売電するが、売電期間終了後は、自前のスキー場の使用電力に充当する考えという。

 

 (写真は、水路式発電所を設置する予定の姉川支流瀬戸谷川)

 

 奥伊吹観光会社は1970年から同地で関西圏では最大規模のスキー場とされる「グランスノー奥伊吹」を運営している。しかし、地球温暖化に伴って小雪化などの事業リスクが年々、高まっているという。そこで「気候変動に対応するためには、環境リスクの低減が必要」として、自ら再エネ事業に乗り出すことにした。

 

 

 水力発電事業は、奥伊吹観光と関西電力のグループの株式会社KANSOテクノスが合同で取り組む。淀川水系・姉川支流瀬戸谷川(滋賀県米原市甲津原瀬戸山124番地)に「奥伊吹発電所」を建設する。今年2月に事業会社のKANSOテクノスとともに「奥伊吹水力発電合同会社」を設立、7月から工事に着手した。2022年6月の稼働を目指している。

 

 水力発電による自然エネルギーの活用でCO2排出量ゼロの電力を開発、FITを通じて売電する。発電容量は最大出力199kW。年間発電電力量は1350MWhを見込んでいる。一般家庭の消費電力約450世帯分をまかなうことができ、CO2削減量を年間約620㌧削減できる。

 

 同社の運営設備(グランスノー奥伊吹、グリーンパーク山東、グランエレメント等)が使用する年間電気使用量は1100MWhなので、それを上回る発電量を確保できることになる。このため、FIT期間終了後は自社設備の発電への供給に切り替える予定という。

 

 同社では、今回の水力発電事業を、国連大学が提唱する「資源利用の最適化や廃棄物の最小化の促進」という「ゼロエミッション化」の推進につながると位置付けている。また国連の持続可能な開発目標(SDGs)が目指す「持続可能かつクリーンで近代的なエネルギーへのアクセスを確保」の実現にも通じる、としている。

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000025847.html