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丸紅、2021年度から新本社ビルを含め国内全事業所の使用電力を再エネ100%に切り替え。事業活動を含むCO2排出量削減は2030年度までに25%削減(RIEF)

2020-09-08 18:11:06

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 丸紅は8日、国内の全事業所で使用する電力を2021年度から再エネ電力100%の電力に切り替え、「実質CO2フリー」を実現すると発表した。2021年に新本社ビルに移転することを踏まえた措置で、事業活動を含めたCO2排出量については、2030年度までに18年度比25%削減を目指すとしている。同社は2018年9月、「脱石炭火力方針」を打ち出し、2030年度までに保有石炭火力発電容量を半減させる方針を示している。

 

 今回の事業所使用電力の再エネ化方針は、国内連結子会社についても段階的に適用していくとしている。新たに調達するCO₂フリー電力は、グループの電力小売会社である丸紅新電力が手掛ける、水力・バイオマス・太陽光発電のほか、家庭での太陽光発電の「卒FIT」電力、長野県・新潟県の公営水力発電所の電力、さらに「グリーン電力証書」の調達も活用するとしている。

 

 丸紅は、事業活動に伴う、エネルギー由来の直接・間接温室効果ガス排出量(Scope 1、同2)についても、連結ベースで2030年度までに2018年度対比にて25%削減する計画を立てている。2018年度の排出量はCO₂換算で103万5000㌧。削減状況は定期的に開示し、「パリ協定目標に整合したより高い削減率の実現に向けて目標値を高めていくべく、継続的に検討する」としている。

 

2021年に完成予定の新本社ビル
2021年に完成予定の新本社ビル

 

 丸紅はこれまで日本企業の中でも、突出して石炭火力事業に傾斜してきた。2018年に米国の エネルギー経済・財務分析研究所(Institute for Energy Economics and Financial Analysis 、IEEFA)が評価したところ、計画中の石炭火力による発電能力は合計13.6GWで、世界の環境NGO等から批判を受けていた。

 

 そこで同社は18年9月に①新規石炭火力事業には原則取り組まない②石炭火力発電事業によるネット発電容量を2030年までに半減させる③再エネ発電を2023年までに倍増させるーー等を公約し、脱石炭火力路線への切り替えを宣言した。http://rief-jp.org/ct4/82807

 

 今回の国内事業所の使用電力の切り替えはこうした方針に沿った取り組みだ。同社グループでは、丸紅新電力のほかにも、英国の電力卸売・小売事業を行う100%子会社SmartestEnergy Limited(SEL社)は、契約電力量の約83%(2019年度)を再エネ電力としている。ジャマイカに出資参加する電力会社Jamaica Public Service Company Limited(JPS)も、重油・ディーゼル由来から、高効率の天然ガス火力や再エネに転換するなど、広がっている。

 

 商社の再エネ電力への切り替えは各社も取り組んでいる。伊藤忠は今年1月、東京本社ビルに再エネ由来電力を導入した。三井物産は7月、本社ビルや国内の事業所の電力の実質CO2フリー化を発表している。

 

https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/00020.html