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三菱重工エンジニアリング、CCS等のCO2回収技術をグローバルに販売へ。専門組織「脱炭素事業推進室」新設。カーボンニュートラルの実現に向けた世界的な動きや顧客ニーズに即応(RIEF)

2020-11-20 21:46:37

 

 三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングは、CO2高排出産業・企業の脱炭素化ビジネスを強化する。石炭火力発電事業からのCO2回収事業をバイオマス発電、製鉄・セメント、ゴミ焼却等拡大するほか、アンモニアや水素等のクリーン燃料製造にも展開する。菅政権の「温室効果ガス排出量ネットゼロ」宣言を受けて、排出削減規制が進むことで、脱炭素市場が拡大することを想定しているとみられる。

 

 同社では、脱炭素ビジネスを強化するため、12月1日付で脱炭素事業推進室を新設する。脱炭素ビジネスの中心になるCO2回収技術では、HIENGは関西電力と共同で独自の回収技術(KM CDR Process™)や高効率で吸収できるアミン吸収液を開発・改良してきた。

 

 同社の回収装置を利用した火力発電や化学プラントとは、現在、世界中の13ヵ所で稼働しているという。CO2回収ビジネスでは2020年11月時点で世界トップクラスの導入実績を誇る。特に欧州を中心としてカーボンニュートラルに向けた動きが活発化しており、今後、火力発電所のほか、バイオマス発電や製鉄・セメント工場、ごみ焼却施設等の排ガスからのCO2回収ニーズが高まるとみている。大気からの直接回収(DAC)にも活用できるという。

CO2回収市場の拡大見通し
CO2回収市場の拡大見通し

 

 エナジートランジション分野での新規の取り組みとしては、化学プラント事業での化学反応技術を活かし、カーボンフリーのアンモニアや水素などのクリーン燃料の製造、アンモニアの分解による水素製造技術の開発・活用、回収したCO2の液化・貯蔵・輸送、CO2をメタノール等の他の化学品へ転換利用するCCUS(CCUS)等の技術の実用化を目指す。

 

 三菱重工は、三菱重工エンジニアリングのこれらの脱炭素技術を、グループでの成長領域として位置付けている。今後、同社のエナジートランジション技術を、グループ全体と連携しながら、世界規模でのカーボンニュートラル市場での市場獲得を目指していく方針だ。

https://www.mhi.com/jp/news/20112003.html