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自民党政務調査会、「2050年カーボンニュートラル」実現に向け、基本法制定や「脱炭素グリーン基金」創設等を菅首相に提言。次世代太陽光発電や洋上風力等の主電源化等掲げる(RIEF)

2020-12-02 22:57:22

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 自民党政務調査会は11月30日、新たな経済対策に向けた提言を取りまとめ、菅義偉内閣総理大臣に申し入れた。菅首相が「2050年カーボンニュートラル」を表明したことを受けて、国を挙げた取り組みを推進するための基本法等の法的枠組みの制定のほか、関連技術の開発調査等を支援する「脱炭素グリーン基金」の創設等を提言した。

 

 (写真は、提言書を菅首相に提出した政務調査会メンバー)

 

 自民党政務調査会は各部会の意見を総合した「新たな経済政策に向けた提言」と題した案を提出した。提言は、①新型コロナウイルス感染症の拡大防止策②ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現③防災減災・国土強靭化の推進等の安全・安心の確保を柱としているが、この中の②の最重点事項のひとつに、「グリーン社会の実現」を示した。

 

 それによると、リスクが高いグリーン関連の研究開発に取り組む民間企業に対し、長期間の支援を行う基金創設等によって、「革新的なイノベーションを通じて経済と環境の好循環を作り出し、官民を挙げて2050年カーボンニュートラルを実現すること」を求めた。

 

 これを受けて、同調査会の経済産業部会意見として、「2050年目標」の達成と、DX(デジタル・トランスフォーメーション)基盤に立脚した「第5次産業革命(グリーンエコノミー)」を実現するため、「国を挙げてカーボンニュートラルを推進する基本法」等の省庁横断的な法的枠組みの制定をあげている。

 

 また「脱炭素イノベーション基金については、経営者自らが覚悟とコミットメントを示す」ことを条件として、リスクの高い挑戦に取り組む企業によるグリーン投資を海外とそん色のない規模で10年単位で支援する考えを示した。さらに脱炭素効果の大きい設備投資を支援する税制措置の創設、規制緩和等も掲げた。

 

 具体的な支援事業としては、生産工程でのGHG削減を伴った蓄電池、次世代太陽光発電開発、洋上風力等の再エネの主力電源化、原子力を含むゼロエミッション電源の活用、合成燃料・CO2分離回収技術の技術開発、バイオ技術の知見を活かしたカーボンリサイクルの推進、水素発電の技術開発による水素社会の実現加速化等を列挙している。

 

 環境部会も同様に、脱炭素グリーン基金の創設を掲げた。同部会の基金案では、新たな地域の創造や、ライフスタイルの転換を加速する技術の調査・開発・実証や社会実装といった需要サイドの脱炭素イノベーションを支援するものと位置付けている。

 

 このうち、ライフスタイルの脱炭素の促進では、移動や住まいに伴う排出削減と、国内外の新たな需要の創出を図るため、災害時にも活用可能な電動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の普及の加速と、ヒートショック対策にも資する住宅の断熱リフォームや、ゼロエネルギーハウス(ZEH)やゼロエネルギービル(ZEB)の普及促進等もあげている。

https://www.jimin.jp/news/policy/200870.html

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