HOME8.温暖化・気候変動 |高速道路最大の風力発電が稼働、北陸自動車道(各紙) |

高速道路最大の風力発電が稼働、北陸自動車道(各紙)

2012-06-06 16:48:15

下り線に設けた最大出力10kwの風力発電設備。各羽根には、加賀五彩で四角形の模様を描いた(写真:下も中日本高速道路会社)
中日本高速道路会社は2012年5月30日から、石川県白山市に位置する北陸自動車道の徳光パーキングエリア(PA)で合計4基の風力発電設備の稼働を始めた。同社によれば、国内の高速道路に設置されている風力発電設備の最大出力は1kW以下。同PAのものは最大出力が1基当たり2~10kWで、高速道路に設置された風力発電設備では国内最大。

下り線に設けた最大出力10kwの風力発電設備。各羽根には、加賀五彩で四角形の模様を描いた(写真:下も中日本高速道路会社)


地面に対して風車が水平に回転する「トルネード型」と呼ぶ風力発電設備を設置した。3本の支柱の内側に風車を偶数段設けた構造で、磁石を回す風車とコイルを回す風車が対になって発電する。これら二つの風車はそれぞれが逆に回転。プロペラ形状の羽根を持つ風力発電設備の半分以下の回転数で発電できる。さらに、支柱の内側に風車があるので羽根が落雷を受けにくいほか、風向きに左右されずに安定して発電できるなどの特徴を持つ。

下り線のPAには風車が4段構造で最大出力が10kWの風力発電設備を1基、上り線のPAには風車が2段構造で同2kWのものを3基、それぞれ設置した。下り線のものは支柱の高さが19.2mで、設置面積は約9.2m2(平方メートル)。下り線のものはいずれも支柱の高さが8.8mで、設置面積はそれぞれ約2.3m2。

風車の羽根には藍(あい)や古代紫、臙脂(えんじ)など、加賀友禅に用いる加賀五彩を採用した四角形の模様を描いた。羽根が回転すると、加賀五彩が縞模様になって見えるようデザインしたという。

徳光PAには太陽光発電設備も設置している。上り線に3カ所、下り線に2カ所設置しており、最大出力は合計で10.2kW。風力発電設備と併せた総発電量は年間で2万1000kWhを見込む。「これらの発電で同PAのトイレで使用する電力の約1割を賄い、年間で約11.7tのCO2(二酸化炭素)排出を削減する」(中日本高速道路会社)。