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国際石油開発帝石(INPEX)、インドネシア・ボルネオ島のREDD+プロジェクトから5年間500万㌧のカ―ボクレジット取得。「2050年ネットゼロ」達成に活用(RIEF)

2021-02-22 14:49:49

INPEX005キャプチャ

 

 国際石油開発帝石(INPEX)は、インドネシアの 熱帯林のREDD+保全事業を支援することで、今後5年間で500万㌧のカーボンクレジットの取得を確保した。対象事業地はオランウータンの保護区を含み、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17目標全体への貢献認証を得ている。INPEXは「2050年カーボンネットゼロ」を掲げており、今回のクレジット取得もネットゼロ達成に活用する。

 

 (写真は、カリマンタンの熱帯雨林で、オランウータンの生態系を観察する自然保全チーム)

 

 INPEXが支援するインドネシアの事業は、インドネシアのボルネオ島中央カリマンタン州でInfiniteEARTH 社が進める「Rimba Raya Biodiversity Reserve REDD+」プロジェクト。約6万5000haの森林地帯を対象とし、同地で生活する住民と自然を一体で保全する事業だ。現在、世界で取り組まれているREDD+プロジェクトでは最大級。創出できるクレジットは年間350万㌧以上とされる。

 

REDD+プロジェクトの実施地域
REDD+プロジェクトの実施地域

 

 同プロジェクトは、森林保全に加え、地域社会の雇用・医療・教育・浄水システムの提供等の基盤整備や、同地で生息するオランウータンの保護等の生物多様性保全活動にも取り組んできたことが評価さ れ、2020年9月、世界で初めてSDGsへの貢献を証明するSD VISta認証を17項目全てで取得している。

 

 またクレジットの信頼性については、国際的なVCS(Verified Carbon Standard)認証を取得、生物多様性やコミュニティ、気候の3側面の評価についてはCCB(Climate Community & Biodiversity Standard)認証を得ている。https://infinite-earth.com/inpex

 

 INPEXは、1月末に「2050年ネットゼロ」を宣言。石油・ガス開発等の上流事業のCO2削減をはじめ、水素事業の展開、再生可能エネルギー事業の強化等、新たに5つの事業を柱として、今後の年間投資規模のほぼ1割に相当する年200億~300億円を継続的に投じることを公表している。今回、インドネシアのREDD+事業から取得するクレジットも、「ネットゼロ」達成に活用する方針だ。https://rief-jp.org/ct8/110323

 

熱帯林地帯に生息するオランウータンの保全にも貢献
熱帯林地帯に生息するオランウータンの保全にも貢献

 

 REDD(Reducing emissions from deforestation and forest degradation)は、途上国が森林減少・劣化を抑制することで温室効果ガス排出量を減少させた場合に、その排出抑制・減少分をカーボンクレジットとして認定する仕組み。「+」は劣化した地域を植林等で再生する追加措置を意味する。森林保全とクレジット創出による地域社会への経済的支援の両立を目指す。

 

 INPEXは「森林保全による CO2吸収により、気候変動対応を推進するとともに、貴重な生物多様性の保全や、 地域社会の生活基盤向上に貢献する優良なプロジェクトを支援していく」とコメントしている。

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/210222.pdf

https://rimba-raya.com/