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ジョン・ケリー米気候特使、欧州委員長らと会談。「ヤマを動かす」ことで一致。「ヤマ」は中国との見方(RIEF)

2021-03-10 18:26:58

Kerry--2キャプチャ

 

 訪欧中のジョン・ケリー米気候特使は9日、ブリュッセルでウルスラ・フォンデアライエン欧州委員長らと会談した。ケリー氏は「気候リスクを解決するにはEUとの連携が重要だ」と強調、EUの気候担当副委員長のフランツ・ティメルマンス氏による「ヤマを動かそう」との発言に合意した。「動かすヤマ」については言及しなかったが、世界最大の排出国中国を指しているとの見方が出ている。

 

 ケリー氏は8日の訪英に続いて、ブリュッセルを訪れた。同氏は「気候対策でEU以上のパートナーはいない」と強調。フォンデアライエン委員長も「ホワイトハウスに友人が戻ってきたことは素晴らしいこと」と、トランプ時代が終わったことを歓迎した。ケリー氏は「気候行動でのEUとの協力関係を新たにするとともに、従来以上に強化なものにしなければならない」とした。

 

 フォンデアライエン委員長は、「われわれは多くのことを仕上げねばならない。欧州だけでは十分にできない」と指摘、米欧協力の必要性を強調した。これに合わせて、ティメルマンス氏は、11月の国連気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP26)に向けて、「グラスゴーでのCOP26の成功に向けて米欧で協調していこう。他の主要プレイヤーも同様の方向に向かわせるために努めよう」と呼びかけた後、「米欧が一緒に、ヤマを動かそう」と付け加え、ケリー氏も同調した。

 

 ティメルマンス氏もケリー氏も、「ヤマ」が何かについては言及しなかったが、メディアや関係者は、世界最大のCO2排出国の中国を指しているとの見方がもっぱらだ。中国は現在開いている全国人民代表会議(全人代)で第14次5か年計画(2021年~25年)の目標を決めた。だが、その中では気候対策については、単位GDP当たりのエネルギー消費量とCO2排出量をそれぞれ13.5%、18%引き下げるとしたものの、それ以上の内容は盛り込まなかった。

 

https://audiovisual.ec.europa.eu/en/ebs/live/1